「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産登録を実現させた運動の起点となった五島市の奈留島に、運動の意義を伝える記念碑が建立され、26日に除幕式があった。登録を提唱した柿森和年さん(72)=同市奈留町=は「民間から始まった活動が登録に結び付いたことを知ってほしい」と話す。
元長崎市職員の柿森さんは2000年8月、文化財の専門家らが集まり奈留島で開催された建築修復学会で、長崎の教会群の世界遺産登録を初めて提案した。翌01年に有志と「長崎の教会群を世界遺産にする会」を立ち上げ、事務局長として奔走。昨年7月、潜伏キリシタン関連遺産の世界文化遺産登録につながった。
記念碑は島内外の有志から寄付を募り、奈留港ターミナルビル前に建立。高さ約1メートル、幅約0.6メートルで、黒の御影石製。「この島から世界遺産はじまる」と刻まれている。除幕式は同遺産と活用した地域活性化イベント「イナッショ祭り」(実行委主催)の一環で行われた。
柿森さんは「市民運動から始まり、さまざまな分野や立場の人が関わり世界遺産登録が実現した。(記念碑建立は)一つの締めくくりになった」と感慨深げに話した。
世界遺産登録運動 「奈留島が起点」 意義伝える記念碑建立
- Published
- 2019/05/28 16:16 (JST)
- Updated
- 2019/05/28 16:37 (JST)
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