あのアニメのネットスラングの元ネタってなんなの?「まるで将棋だな」「は?」編

SNSやコメント書き込み機能がある動画サイトでアニメ作品中に意味のわからない理論や展開、言動が出た場合「まるで将棋だな」もしくは「は?」とツッコミを入れることがあるが、これは2017年に放送されたアニメ『異世界はスマートフォンとともに。』が元ネタになっている。

同作の3話において、主人公の望月冬夜は魔力を無限に吸収する魔物に対した際「僕達の魔力を奪って再生か…フッ…まるで将棋だな」というセリフを発した後、「そうか……『王』を取れば!」と自身だけで納得して相手のコアを魔法で奪い勝利したが、視聴者はその意味のわからなさに反射的に「は?」とツッコミを入れることとなった。

同作は「異世界転生モノ」といわれるジャンルで、主人公は現世の日本で死んでからファンタジー風の異世界に飛ばされたという展開になっているので、一応将棋は知っており、同作の3話でも、将棋を打っている描写が前半にあった。しかし、原作ではこのようなセリフもなく、前半の将棋描写と、魔物が喰らった魔力を吸収して攻撃することを、無理矢理こじつけたことが結果的に大きなツッコミどころとなってしまった。

ちなみに、同作は転生してきた主人公が作品中で神と呼ばれる存在にかなり優遇されているため、主人公に対して、かなり大雑把ともいえるご都合主義的な展開が多く、その後も「は?」というツッコミだけではなく、「まるで将棋だな」に関してもそういった展開を揶揄する言葉として放送期間中使用され続けることに。

その後、「まるで将棋だな」と「は?」という言葉は他作品、特に同作と同じ異世界転生モノの作品でのご都合主義的な展開で使用されるようになる。また「まるで将棋だな」に関しては、将棋ファンの間でも使用される言葉となり、このアニメに影響を受けたかどうか定かではないが、Love FMで放送されている女流棋士水町みゆの番組名は『女流棋士水町みゆの、まるで将棋だな』となっている。(斎藤雅道)

©冬原パトラ・ホビージャパン/ブリュンヒルド公国

*画像 アニメ 異世界はスマートフォンとともに。公式Twitterから
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