【登戸児童殺傷】小学生ら2人死亡、17人負傷 通学中襲う

現場を離れる私立カリタス小学校のスクールバス=28日午前11時40分ごろ、川崎市多摩区

 28日午前7時40分ごろ、川崎市多摩区登戸新町の路上で、男がスクールバスを待っていた私立カリタス小学校(同区中野島4丁目)の児童や保護者を刃物で次々と襲った。県警によると、児童17人と大人2人の計19人が、刺されたり切りつけられたりして、同小6年の児童(11)=東京都多摩市=と、外務省職員の男性(39)=同世田谷区=が搬送先の病院で死亡した。

 県警や川崎市消防局によると、ほかに女性(45)と女児2人が重傷。児童14人(女児13人、男児1人)がけがを負った。男は児童らを襲った後に現場近くで自ら首付近を刺して、搬送先の病院で死亡した。

 県警は同日夜、死亡した男について、川崎市麻生区多摩美1丁目、職業不詳の男(51)と判明したと発表した。県警は多摩署に捜査本部を設置。殺人容疑などで被疑者死亡のまま捜査し、動機面などの解明を進める方針。

 県警によると、同容疑者は黒色の服と紺色のズボン姿で、両手に刃物を持って、最初に背後から外務省職員を刺した後、スクールバスを待っていた児童らを次々と襲ったとみられる。目撃証言や防犯カメラ映像の解析などから同職員を襲ってから、自らを切りつけるまで十数秒だった。警察官が駆け付けた際、同容疑者は受け答えができる状態ではなかったという。

 現場付近の植え込みで凶器とみられる血の付いた包丁2本(ともに刃渡り約30センチ)が見つかった。また、男が所持していた黒色のリュックサックが現場近くのコンビニエンスストアの敷地内で見つかり、中からワイシャツに包まれて包丁のような刃物2本が見つかった。

 県警や搬送先の病院によると、死亡した児童には首に深い刺し傷があり、同職員には首や背中などに複数の刺し傷があった。県警はこうした状況から同容疑者が強い殺意を持って、計画的に襲った可能性もあるとみて、詳しく調べる。

 現場はJR南武線、小田急線の登戸駅から北西に約250メートルの住宅街の一角。同小は現場から北西に約1.3キロ離れている。

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