諫早農高 全国・ジュニア農芸化学会で金賞 ミカンの皮活用でシイタケ栽培成長速度1.5倍 特許を出願

ジュニア農芸化学会で金賞を受賞した諫早農業高食品科学部のメンバー=県庁

 全国の高校生がバイオ技術の研究成果を発表するジュニア農芸化学会が3月に東京で開かれ、長崎県立諫早農業高の食品科学部が全国1位の金賞を受賞した。焼却処分されているミカンの皮をシイタケ栽培に活用する研究で、成長スピードが1.5倍になることが判明。特許も出願した。生徒らが28日、県庁を訪れ、池松誠二県教育長に報告した。

 研究発表したのは同部3年の濱崎莉末さん、森凪沙さん、水口喬太さん、峰ちはるさん、鶴崎めぐさん、二宮愛衣さんの6人。化学会には全国から75チームが出場した。

 研究テーマは「柑橘(かんきつ)類の廃棄物による椎茸(しいたけ)栽培法」。県内で栽培が盛んな温州ミカンなど柑橘類がジュースや缶詰などに加工された後に生じる果皮などの廃棄物に着目。県央地区で栽培が盛んな菌床シイタケの栄養源には通常米ぬかが使われるが、同廃棄物を使って検証すると、菌糸のまん延スピードが1.5倍に向上した。柑橘類に含まれるカルシウムなどの無機成分が成長を促進させる要因となっていることも突き止めた。

 研究成果は全国の農家に有効な技術で、焼却処分される廃棄物の再利用による二酸化炭素(CO2)の排出削減と、新たな産業への活用も期待できるとして、特許を出願したという。

 濱崎さんは「これからも研究を頑張っていきたい」と受賞を報告。池松教育長は「素晴らしい研究で特許が出願できる成果が生まれた。県内の高校生も勇気をもらったのでは」と生徒の活躍をたたえた。

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