新幹線長崎ルート 「全線フル 道筋早期に」 沿線5市市長ら国に要望

 九州新幹線長崎ルートで未着工になっている新鳥栖-武雄温泉について、長崎、佐賀両県の沿線5市(長崎、諫早、大村、嬉野、武雄)の市長、市議会議長が28日、国土交通省や財務省などを訪れ、全線フル規格での整備の道筋を早期に示すよう要望した。

 8月末の政府予算の概算要求を控え、沿線自治体の意向を伝えようと上京。要望では2022年度の暫定開業から始まる、新幹線と在来線特急を武雄温泉駅で乗り継ぐ対面乗り換えの早期解消や、地方負担と並行在来線の課題解決、開業に向けた各種公共事業などへの支援拡充なども求めた。

 国交省では、鉄道局の寺田吉道大臣官房審議官に要望書を手渡した。終了後、田上富久長崎市長は「まちづくりに弾みをつけるためにも、全線フルでの方向性を早く示してほしい」と話した。

 整備を巡っては、与党検討委員会が全線フルを軸に議論を進め、6月中に方向性をまとめたい考え。しかし佐賀県は同区間について「これまで新幹線整備を求めたことはなく、今も求めていない」と建設を拒否する考えを示している。

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