元F1最高責任者エクレストン、ラウダの葬儀には参列せず「ニキは私のなかで生き続けている」

 元F1の最高経営責任者であり、ブラバムのチームオーナーを務めたバーニー・エクレストンは、今週水曜日にウィーンで執り行われる予定のニキ・ラウダの葬儀には参列しないという。

 70歳だったラウダは、2018年の夏に受けた肺の移植手術からの合併症により、先週スイスで死去した。

 エクレストンは、自身のチームであるブラバムに1978年と1979年に在籍していた3度のF1世界チャンピオンであるラウダの死を悼んでいるが、彼の葬儀には参列しないという現在の考えを翻すことはないと語った。

「死んでいるニキを見たくない。彼は私の中で生き続けている」と88歳のエクレストンはドイツの『Bild』紙に語った。

「私は妻のファビアナと、4月の終わりにスイスの病院にいるニキを訪ねた。そして彼がいかに弱っているかに気づいた。彼は普通の生活には戻れないだろうと思った」

 ラウダとエクレストンは、エクレストンがF1の指揮を離れてから頻繁に連絡を取り合っていた。ラウダは彼が休暇のほとんどを過ごしているイビサに家を買うように、エクレストンを説得してさえいたという。

 実際にバーニーとファビアナは、バレアレス諸島で移植手術後の回復に努めていたラウダを訪ねており、大晦日をラウダと彼の妻ビルギットと過ごしている。

 当時のラウダの健康状態についてエクレストンは、「彼の体調は改善するかに見えた」と明かした。

「それ以降、ニキの状態は急に悪化の一途をたどった」

「我々全員が悲しんでいるが、彼にとっては良いことだったと思う。彼はもうこれ以上苦しまなくていいのだ」

 ラウダの葬儀は、800年の歴史を持つウィーンのシュテファン大聖堂で執り行われる。葬儀にはオーストリア大統領アレクサンダー・ファン・デア・ベレンのほか、現F1世界チャンピオンのルイス・ハミルトンも参列すると見られている。

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