子どもを守る対策強化へ 川崎・児童殺傷事件、各自治体に波紋

下校時刻に合わせてパトロールする秦野市の青パト(同市提供)

 川崎市多摩区の路上でスクールバスを待っていた児童ら19人が殺傷された事件を受け、神奈川県央地域の自治体も対策に乗り出している。大和市は市立の保育園と小学校の全教室に、刺股(さすまた)を近く配備する。また大和、厚木、海老名、秦野、伊勢原市は青色回転灯の付いたパトロールカー(青パト)の巡回を普段よりも充実させた。絶対的な安全策が見つからない中、関係機関の模索が続く。

 事件発生から一夜明けた29日、大和市の大木哲市長は定例会見で、市内の市立保育園と小学校の全教室に不審者を取り押さえる道具である刺股を配備する考えを示した。

 市によると、刺股は既に小学校に数本備えているというが、大木市長は「刺股の本数を増やして教室ごとに置けば、すぐに対応できる」と説明。合わせて市有車による重点パトロールも始めたと明らかにした。

 厚木市も市内全域の通学路で青パトによるパトロールをスタート。計17台が6月4日まで、登下校時間帯に通学路を走るという。小林常良市長は「事件による子どもたちの心のケアを心配している。少しでも不安を取り除きたい」と語った。

© 株式会社神奈川新聞社