山本二三展 7月から壱岐で オリジナル作品も制作 島を訪れイメージ膨らます

神社の宮司に神社についての話を聞く山本さん=長崎県壱岐市勝本町、聖母宮

 長崎県五島市出身のアニメーション美術監督、山本二三さん(65)が手掛けた背景画を展示する特別企画展「山本二三展~長崎・五島が生んだアニメーション美術監督~」(壱岐市立一支国博物館主催、長崎新聞社共催)が7月20日から、壱岐市芦辺町の同博物館で開かれる。目玉は壱岐をテーマにした山本さんのオリジナル作品。山本さんは今月24日、壱岐を訪れて島を精力的に巡り、作品のイメージを膨らませた。

 1953年生まれの山本さんは「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」などのジブリ作品の背景画などを手掛けたことで知られる日本のアニメーション美術の第一人者。企画展では50点以上の作品が並ぶ予定。

 山本さんは、名勝地の猿岩(郷ノ浦町)や笹塚古墳(勝本町)などを訪問。矢保佐神社(郷ノ浦町)や野保佐神社(石田町)といった島内でもあまり知られていない場所にも足を運び、佇(たたず)まいや鳥居などを観察した。同行した同館の河合恭典学芸員は「壱岐の人は小さな神社やほこらでも大切にしている」と説明した。

 石田町の筒城浜では弓状に広がる砂浜と海、松林に「すごい砂浜。きれい」と興奮気味。近くの大浜付近でも砂浜と灯台が見える景色を写真に収めた。

 山本さんは「壱岐は緑が多く裕福な感じがした。題材となるべく写真も撮れたので、1枚に限らず作品を描いてみようかと思う」と話した。特別企画展は9月16日まで。

弥生時代の建物を見学し、公園を散策する山本さん(中央)=長崎県壱岐市、原の辻一支国王都復元公園

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