18年度の児童虐待相談・通告4134件 川崎、過去最多

川崎市役所

 川崎市は、2018年度に市内3カ所の児童相談所と7区役所で受けた子どもへの虐待の相談・通告件数が4134件(前年度比871件増)で、過去最多を更新したと発表した。

 市児童家庭支援・虐待対策室によると、虐待の内訳は「心理的虐待」が最も多く、2244件(同578件増)で、54.3%を占めた。児童虐待防止法は、子どもが夫婦間のドメスティックバイオレンス(DV)を目の当たりにして心理面に傷を負う「面前DV」も虐待と定義している。同室は「警察と児童相談所の連携がより深まり、面前DVに関する通告ケースが増えている」と説明、心理的虐待の件数が増加している要因とみている。

 次いで多かったのは「ネグレクト(育児放棄)」で1071件(同105件増)。「身体的虐待」が787件(同173件増)、「性的虐待」が32件(同15件増)と続いた。

 年齢別では、就学前が2209件で、全体のほぼ半数を占めた。特に区役所への相談・通告では3歳~就学前が前年度比で135件増え、353件となった。同室は「区役所の保健師が母子保健事業など地域活動を通じて、虐待に気付くケースも増えている」と話す。年齢が上がるにつれて件数は少なくなり、小学生1195件、中学生440件、高校生・その他290件だった。

 区別では、川崎区835件、宮前区627件、高津区600件の順に多かった。

 同室は「東京・目黒区の事件など児童虐待の報道を目にする機会が多く、社会的な関心が高まった。今までためらっていた人も相談・通告するようになったことが件数の増加につながった」と話している。

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