日野 大型トラック「プロフィア」にハイブリッドモデルが登場|AIを活用した世界初のシステムを搭載

日野 新型プロフィア PHOTO:日野自動車

日野自動車がAIを活用した「プロフィア ハイブリッド」を発売

日野自動車は、ハイブリッドシステムを搭載した大型トラック「プロフィア ハイブリッド」を2019年6月18日に発売する。価格は2275万200円(消費税込み)。

プロフィア ハイブリッドは、AIを活用した世界初のハイブリッドシステムを搭載し、高速道路の走行が主体となる大型トラックの燃費低減を実現した。

また衝突被害軽減ブレーキ「PCS」や出会い頭の事故の防止に貢献する「サイトアラウンドモニターシステム」などの先進安全技術も標準装備し、高い環境性能と安全性を両立させている。

なお、発表会での試乗体験や詳しい解説を加えた過去の記事「世界初!日野が大型HVトラック プロフィアハイブリッドを2019年夏発売」も参照いただきたい。

プロフィア ハイブリッドの主な特長

新世代ハイブリッドシステム

日野 新型プロフィア PHOTO:日野自動車
日野自動車、大型ハイブリッドトラック 「日野プロフィア ハイブリッド」を新発売 AIを活用した勾配先読みハイブリッド制御機能

高速道路の頻繁な下り坂において、車両重量の大きさを生かして大きな運動エネルギーを効率的に回収し大容量バッテリーに蓄え、定速走行時にモーター走行を行う。

さらに一般路走行時においても従来のハイブリッド技術に加え、協調ブレーキシステムを採用したことで燃費向上、燃費バラツキの低減を図る。

燃費は、重量車燃費基準値の4.04km/L(車両総重量20トン超~25トン以下)+17.5%の4.75km/Lを実現した。

世界初となる、AIを活用した勾配先読みハイブリッド制御

ロケーターECUに内蔵された標高・勾配・位置情報から走行ルートの100キロ先までの勾配を先読みし、それをもとにAIが走行負荷に応じた大枠のシナリオを作成する。

さらにこれを10キロごとに補正していくことで、消費電力の最小化と燃費の最大化を両立させる世界初のハイブリッド制御を実現した。

ブレーキ協調回生制御

一般路走行中に使用頻度が多いフットブレーキ操作時、回生ブレーキを優先させる制御を行い、エネルギー回収率を向上させ回生エネルギーのバラツキを低減させる。

リチウムイオンバッテリーの採用

新たに開発した大容量バッテリーで、大型トラックの大きな運動エネルギーを充分回収できる容量を確保する。

電動冷凍車「プロフィア COOL Hybrid」

プロフィア COOL Hybridはハイブリッドシステムで回生・発電した電力を大容量バッテリーに蓄え、走行での使用に加えて、冷凍機用電動コンプレッサーの駆動にも使用。車両のアイドリング時や低速走行時でも、安定した高い冷凍性能を発揮する。

主な機能向上

バッテリー容量の増加により(1.9kWhから11kWhへ)、エンジン停止後も冷凍機に電力を供給することで庫内温度を約2時間確保することが可能 (外気温35度、庫内設定温度-18度低温で使用した場合)となった。

またモーター出力の向上により(36kWから90kWへ)、冷却能力が向上し予冷時間を約90分短縮(外気35度、庫内-20度到達時間)した。

プロフィア ハイブリッドの主なスペックと価格

日野 新型プロフィア PHOTO:日野自動車
日野 新型プロフィア PHOTO:日野自動車

■車名・型式:日野プロフィア ハイブリッド 2S G-FR1AWHH

■仕様:フルキャブリアエアサスキャブ付シャシ

■エンジン:A09C 279kW(380PS)

■トランスミッション: HV専用AMT

■車両総重量:25トン

■価格:2275万200円(消費税込み)

なおプロフィア ハイブリッドは平成27年度燃費基準+15%を達成しており、エコカー減税の対象となるほか、環境省「2019年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(電動化対応トラック・バス導入加速事業)」の補助金の対象となる予定である。

© 株式会社MOTA