「気にしすぎる性格の人」が今すぐやるべきこと

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突然ですが、簡単な性格傾向テストをします。

ご自身がどのような気持ちになるか想像してみてください。

あなたの会社は40人ほどの人がひとつのフロアで働いています。ある日、あなたが出勤してきてオフィスのドアを開けたら、みんながいっせいにあなたのほうを見ました。どんな気持ちになりますか?

ここで「自分が何かミスをしたのではないか」と思ってしまうあなたは物事を気にしすぎる傾向にあります。しかし、こう考える日本人の割合は、同様の質問をしたときの欧米人やアフリカ人と比較して圧倒的に多いそうです。

そもそも日本人は、気質として気にしすぎる人が多いようです。

帰宅しても仕事のあれこれを考えてしまう、LINEがすぐに既読にならないと何か気に障る文章だったのではないかと気になってしまう、相手の表情などを気にしすぎてうまく話せない、など些細なことを気にしすぎる自分に疲れてしまう方に、今回は気にしすぎる人の特徴や原因、さらに対処法までを書いてみたいと思います。

■気にしすぎる人の特徴

◇1.敏感

音や人の表情、顔色など言語以外の事象に対して非常に敏感です。

このような気質を持つ方をHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)といいますが、これは生まれつきの特性で生涯変わることはないといわれています。

◇2.几帳面

線を引くときに必ず定規を使う、ハンカチやシャツには必ずアイロンをかける、リモコンの置く位置がズレるとイライラするなど、日常生活に決まり事がたくさんあり、それがなされていないと落ちつきません。

◇3.真面目

納得がいくまで仕事を切り上げない、すべてのメールを当日中に返信をしないと寝られない、何があっても約束は守るなど、学校や社会では「優等生」といわれるタイプです。

■気にしすぎる原因

◇気質

気質とは、遺伝的な要素ということです。

人格は後天的な要素でのみ形成されると考えられがちですが、いくら食べても太りやすい体質やアレルギー体質などと同じで、持って生まれた体質的なものというのは「考え方の傾向」にもあります。

「気にしすぎる人の特徴」で挙げたHSPもこれに含まれます。

◇親からの教育

これは上記にあげた気質とも関係してきますが、親からの教育は子どもの性格に大きな影響を与えます。

たとえば、長女や長男に神経が細やかで優等生タイプが多いのは、親にとって初めての子育てのために不安が大きく慎重になることが一因です。

そのほかにも例として、幼少期に友だちと喧嘩をして帰宅した際に、理由も聞かず「あなたが悪いから○○ちゃんは怒っちゃったのよ!」と決めつけられたり、兄弟喧嘩でいつも「お姉ちゃんが我慢しなくてどうするの!」「あなたがいけない」と言われたりなどのしつけを継続的に受けて育つと「自分の言動は人を怒らせる」という心理的刷り込みが生じます。

このように、幼少期に受けた教育というのは普段は意識することはないのですが、心の奥深くに横たわっていて人格形成に影響を与えるのです。

◇環境

親からの教育も「家庭」というひとつの環境ですが、成長するにつれて「学校」という環境や、その中でも「部活」「クラスメート」といったいくつかの環境サークルが自分のまわりにできます。

ここでの体験も人格形成に大きく関係してきます。その多くは部活動の友だちとのもめ事、教師から不注意で激しく叱責される、といったネガティブな経験がトラウマとなり、自分の言動を必要以上に気にするようになります。

■気にしすぎる性格を変える方法

上記で「気にしすぎる性格になる原因」をあげましたが、これを参考にしてまずは自分自身をじっくり分析してみましょう。

たとえば、父親が細かい人だったから遺伝があるかも……と思った人は「こんな性格になったのは父親のせいだ」と思うかもしれませんね。

でも一方で、自分も社会人になってみると仕事をきっちりする人は人望が厚く信頼できる上司であることも理解できると思います。

この自己分析で大切なことは、他人に性格を責任転嫁するために原因探しをするのではないということです。

事実を見つめ、自分の努力で修正できるところを謙虚に探していくのです。その過程では、気にしすぎるという性格は短所でなく、何事も責任を持ってしっかり成し遂げるといった長所でもあることに気づくでしょう。

そうして自身の気質であるということが理解できたら、ここは否定せずに受け入れてしまいましょう。

また、環境などの後天的な要因で形成された性格は変えていくことが可能です。

たとえば気にしすぎる性格の中でも「人が自分をどう思っているかが気になる」という悩みは人間関係があるところに常につきまとう感情ですので、苦しんでいる方も多いと思います。

そういうときは2:6:2の法則です。

2:6:2の法則というと「働きアリの法則」を思い浮かべる人も多いと思います。

これは、働きアリを集めるとよく働くアリと時々サボるが普通に働くアリとまったく働かないアリの割合が2:6:2の割合になるというもの。

ここでまったく働かない2割のアリを除いても、残りのアリでまた2:6:2の構成になります。

こうしたアリのコロニーは、行動心理学の観点からみると人間のコミュニティ全般にも当てはまると考えられています。

そもそも、組織の中で働きアリの役割を持つ人は働かない人を嫌う傾向にあります。

また私の臨床上でも、嫌な人が異動や退職で部署からいなくなっても、数カ月もするとまた別の嫌いな人ができて、不満が募っているというケースは珍しくありません。

人間も動物ですし、さらに感情を持っています。

2割は自分のことを好き、6割はどうも思っていない、2割は自分のことを嫌いという心理構造は、組織においては一般的であるといえるのです。

つまり、全員が自分を好きなんてことはあり得ないと割り切りましょう。

人間関係に疲れたときは、ぜひこの2:6:2の法則を思い出してください。

そしてもうひとつ。気を紛らわせましょう。

気を紛らわせるということは具体的にいうと「今に集中する」ということです。

集中の仕方は大きく分けると座禅やヨガ、絵画や映画鑑賞といった静的なものと、運動やダンス、登山といった動的なものに分かれますが、それは自分に合うやり方で構いません。

よく「心の健康のためには趣味を持ちましょう」といわれますが、なぜ趣味を持つのがよいかというと、趣味はその時間に集中できるからです。

人間の思考の多くは一度そこから離れると時間が経ってから思い出したときにその思考が小さくなっているものです。

「LINEの返信がこない。気になる」と思い悩んでいても、楽しめるものに集中してスッキリした後に考えると「まあしょうがないか」と思えたりします。

最初のうちはうまくいかないこともありますが、そこで諦めずに繰り返して「気分転換できた」という成功体験を積み重ねていきましょう。

そうすると、気にしすぎるという思考の癖そのものが小さくなっていきます。

変えるものは変える、変えられないものは受け入れる

いかがでしたでしょうか。

忙しい日常では「この性格が嫌だ!」と思っても、そうなる原因や対処法などをじっくり考えることなく過ぎてしまうことも多いと思います。

しかし、まずは今回あげた3つの原因から自己の性格をじっくり考察してみましょう。

自分の性格に悩んでいる方は、つい「変える」ということに注力してしまいがちですが、そもそも成人してから性格を変えることは簡単ではありません。

変えるべきことと受け入れるべきことがクリアになったら、まずは「受け入れる」ことを意識しましょう。

変えるべきものは少しずつです。焦らずにいきましょう。

(小日向るり子)

※画像はイメージです