プーチン氏支持率最低、大統領府詰問受け「質問形式悪かった」 政府系世論調査機関が釈明

By 太田清

ロシアのプーチン大統領=3月15日、モスクワ(タス=共同)

 ロシアのプーチン大統領の支持率が最新調査で、2006年の調査開始以来最低を更新したとのニュースは同国で大きく報じられ、反響を呼んだが、ロシア大統領報道官の指摘を受け、調査を行った政府系の世論調査機関トップが質問形式が適当でなかったことを認め、今後はより適当な質問形式での調査の結果を発表すると約束する騒ぎとなった。ロシアの主要メディアが31日までに報じた。 

 調査は政府系の世論調査機関「全ロシア世論調査センター」が行ったもので、「政治家の中で、国家の重要問題の決定をゆだねられる人を挙げてください」を問うた。プーチン氏を挙げた人は31・7%と依然トップであるものの、06年から同様調査の結果を発表しだしてから最低だった。同センター代表のバレリー・フョードロフ氏は結果について「国民が将来に希望を持てなくなった」ことなどを理由として挙げていた。 

 しかし、ペスコフ大統領報道官が30日、別の調査では逆にプーチン氏の支持率は上昇しており、なぜ今回の結果と違いがあるのか説明してほしいと要求。確かに同センターが行った「プーチン大統領の仕事を評価するか」との質問に対しては最新の結果で65・8%が評価すると回答。しかも、1月調査の約62%から上昇している。 

 フョードロフ氏はラジオ局「コメルサントFM」に対し、候補の政治家のリストを見せることもなく、信頼できる政治家を挙げてもらうとの今の調査の手法は、プーチン氏個人の支持率を正確に反映しているとは言えないことを認めた上で、近く「プーチン大統領を信頼するか、しないか」との質問に対する調査結果を発表すると明言。「そうすれば、プーチン氏の仕事の評価に対する調査と大きな乖離は生じないはずだ」と説明した。

 しかし、「信頼できる政治家を挙げてもらう」形式の調査が長年続いている中で、プーチン氏を挙げる人が減り続けているのは事実なのだが。 (共同通信=太田清)

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