社説:ゲーム障害 特に小学生への対策を

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 新たな依存症として「ゲーム障害」が国際的に認定された。世界保健機関(WHO)の総会で承認され、2022年から世界中の医療機関で診断や調査に使われる。

 オンラインゲームやテレビゲームのやり過ぎで、日常生活や健康に深刻な影響を及ぼす事例が数多く報告されている。治療が必要な疾病となったことで、診断や治療法、予防策の研究・開発が進むことを期待したい。

 同時に、依存症に陥らないよう、環境や対策を社会全体で整えていくことが大切だ。とくに、身心の成長過程にある子どもたちを、どのようにして守るか。喫緊の課題といえる。

 厚生労働省研究班の2年前の調査によると、インターネットへの病的な依存が疑われる中高生は全国で93万人、実に7人に1人だ。前回調査から5年間でほぼ倍増しており、事態を重く受け止めないといけない。

 中高生の9割以上がパソコンやスマートフォンを使っており、その7割超がゲームを楽しんでいる。これは内閣府の実態調査から引いたが、その調査を詳しくみると、すでに小学生の8割以上がパソコンなどに触れている。

 その小学生で最も多い利用がゲームで、7割以上に上る。専門医の中から憂慮する声が聞かれる。

 長時間のゲームで睡眠不足が続き、不登校となる恐れがある。睡眠は子どもの脳の発育にとって重要であり、小学校卒業までにゲーム依存症にならないよう訓練が必要というのだ。

 ゲームをしたい衝動が抑えられず、日常生活より優先させて勉強を放り出す。こうした症状が少なくとも12カ月続く場合にゲーム障害と診断されるが、小学生の発育は早く、短期間にダメージを受けるとの指摘もある。

 スマホの普及で、ゲームはいつでも、どこでも、楽しめるようになった。子どもに対し一方的にゲームを禁止しても、隠れて遊ぶことがきる。親子で話し合い、子どもが納得するルールをつくるのは一つの方法だろう。

 ゲームメーカーには、対策に本腰を入れてほしい。今回の依存症認定で、業界団体は調査・研究に取り組むと積極姿勢を示している。すでに家庭用ゲーム機器ではプレー時間を管理する機能が付いているのもあり、新たなアイデアを望みたい。

 小学校でパソコンを活用した授業が始まっている。ネットを適切に使える力を、早いうちに付けることが大切ではないだろうか。