「もう通り魔やるか…」 人を殺しかかる寸前で自分を止めることが出来た元会社員のSNSが「役立つ!」と話題

退職届を提出した時に投げつけられた言葉で……(写真はイメージです)

Twitterに投稿された『マジで通り魔やるかって決意しかかってやめた時の話』という体験談が「この視点は知っておくべき」としてネットでまとめられ、話題になっています。

ちょっくら、ぼくが以前「マジで通り魔やるか」って決意しかかってやめた時の話でもしましょうか

— 中村カズノリ (@nkmr_kznr) May 28, 2019

川崎市の登戸駅付近で起きた19人殺傷事件。小学生らを切りつけた後、自ら首を刺して死亡した岩崎隆一容疑者について、『追い詰められて極まった人間に「何があっても他人を殺してはいけない」なんて言葉は届かないんすよ…今回の犯人がどんなものを背負ってたかは、もはや知るよしもないけれど』と語るのは「メンズカウンセラー」として活動する中村カズノリ氏。

関連記事:通り魔被害の子どもたちに「逃げられたはず」「学ぶいい機会だ」と“犯罪に詳しい”専門家が笑顔でコメント | TABLO

そして『ちょっくら、ぼくが以前「マジで通り魔やるか」って決意しかかってやめた時の話でもしましょうか』と自身の体験を投稿した一連のツイートが話題になっています。

3年半ほど前に仕事や生活のストレスからか、「過眠症」を発症してしまったという中村氏。「過眠症」というのは一度寝るととにかく起きないそうで、最大24時間寝てしまうこともあったという。そのため無断欠勤などに繋がり問題となったが、病院にいったり薬を飲んでも改善が見られず。月に2~3回は過眠発症で連絡なし欠勤をしてしまったとか。

それは当然、給料にも響き月々の手取りが10万を切るということもあったといいます。

そんな自身の当時の状況について、『自分の病気のせいなんだし、今の待遇に甘んじるしかないとか思ってたなあ。自己肯定感がゼロに近かった』という心境が綴られていました。

過眠症の発作は不定期に起こり、そのたびに上司に「体調管理をしっかりしろ」と言われてたそうですが、『何をどうしっかりすれば改善されるかなんぞ自分にもわからないのにお前はわかるんかい』と徐々に殺意を持ち始めてしまったと……。

参考記事:「暴力行使の本質」を考える 川崎市・登戸カリタス小学校殺傷事件|久田将義 | TABLO

そして、会社に自己都合退職を迫られ退職届を提出。

『その直後に人事のおじさんから飛び出た一言「思いつめて自殺なんてしないでね…(苦笑)」』

『これを聞いた瞬間、自分の中でなにかがスッと覚める感覚があったというか。そんとき思ったことは
「ん? なんでぼくが死ななきゃならんの?」からの
「というかお前が死ねよ。夜寝て起きたら夕方だった絶望感の何がわかるんだてめー。よし、この場で殺そう」だった』

『おっとヤバイ思考来たわこれ…落ち着け落ち着け…と自分になんとか言い聞かせてクールダウン(?)し、人事のおじさんに返答。「いやー、自殺とかないですわwぼく、自殺するくらいなら殺しますからwww」全員硬直』

『今思えば支離滅裂な思考だけども、追い詰められるとマジで支離滅裂かつクリアな思考になる瞬間があるような気がしてる。』

と、その時の心境や状況などを綴っていました。

その後は『凶器を調達して戻ってヤれるだけヤろうかな』と思ったそうですが、考えを改めすぐにカウンセラーに電話。ただ話を聞いてもらい、なんとか気持ちを落ち着かせる事ができたという。そして、自身がこうした思考になってしまった要因を振り返り、

『・病気で問題がおきたことによる自己肯定感の低下
・その問題に対しての継続的な圧力(職場での人間関係)
・金銭的な生活不安』

『人によっては「大したことない」ことだったりもすんだよね。実際自分も今となっては…wという感じだし』としていた。

この一連のツイートに対し、
「これ分かります。私もあるな。」
「通り魔を起こす原因をできるだけ排除するが大切ですよね」
といった共感の声が寄せられている一方で
「今の状況でよくこんな事をかけますね」
「いい話みたいにすんなよ」
といった非難の声も寄せられており賛否別れています。

精神的に追い詰められると正しい判断が出来なくなるという体験談を綴られたこのツイート。自分がこうなってしまわない為にも、また自分の周りにこういった人を作ってしまわない為にも多くの方に知っていただきたいお話です。(文◎絹田たぬき)

© TABLO