目覚ましい進化を続けるオンリーワンピアノトリバンド"H ZETTRIO" 衝撃のデビューアルバムと最新アルバムの再現ライブ 2days レポート速報!

常に斬新な試みを実践し、6 月には和楽器ユニットとコラボレーションする世界遺産ラ イブを控えてる「H ZETTRIO(エイチ・ゼットリオ)」が、アルバム再現ライブ 2days を 5/28(火)・29(水)の二日間に渡って Billboard LIVE TOKYO で決行した。

「完全なる試聴」と謳われたこの LIVE パッケージは今までに 2015 年の 2nd アルバム 「Beautiful Flight」と 2017 年の 3rd アルバム「PIANO CRAZE」で開催されてきた。 アルバムの曲順通りにライブを行うというこの少し変わった企画のライブは、毎回即 完売する人気企画だが、今回は 2 日間に渡って開催され、1 日目は最新作 「Mysterious Superheroes」、2 日目はなんと彼らのデビューアルバムである 「★★★(三ツ星)」を再現するというスペシャル企画となった。 今回も即時ソールドアウトだったこの企画のライブレポートをお届けする。

1日目は昨年 3 月にリリースされた最新作「Mysterious Superheroes」。 昨年はリリースツアーに始まり、ツアーファイナルには日比谷野音、追加公演は中国 と台湾で開催され、夏には全国のフェスというフェスに出演。そして年末のホールツ アーと、数多くのライブを経て、円熟味を増した収録曲がどのような姿となって届け られるのか、その瞬間を目撃しようと集まった会場には大きな期待が溢れていた。

東京の高層ビル群を一望できる大きな窓のカーテンが音もなく閉まり、会場の照明が落とされるといよいよ開演。メンバーがCDジャケットと同じ衣装で登場すると、その粋な演出に会場からは歓声が起きた。

前述のとおり、このライブは“アルバム完全再現ライブ”ということで、もちろん 1 曲目はアルバムの 1 曲目「Mysterious Superheroes」。いきなり 3 人のパワフルな演 奏が鳴り響いた。

続いて「What’s Next」、「Z ディスカバリー」と続く。曲順はアルバム通りなのだ が、何かをなぞっている様子はみじんもなく、全ての曲が新鮮な響きで届いてくる。 この感覚こそが彼らのライブの醍醐味だ。 即興性の高いアレンジが息つく間もなく繰り出され、MC も無くどんどん進んでいく演 奏に客席は大盛り上がり。歓声と拍手が絶えないうちにラストの「MESHI KUTTTE YEAH!」へ突入した。 アンコールで再びメンバーが登場すると背景のカーテンがおもむろに開き、夜の暗が りに浮かび上がった六本木の夜景をバックにアルバムの“EXCITING FLIGHT”盤収録の ボーナストラック「Playin’ Swingin’!!! H ZETTRIO!!!」が始まった。 時が経つのを完全に忘れさせる、怒涛の 70 分で観客を魅了した。

そして翌日は注目の「★★★(三ツ星)」再現ライブ。2013 年 12 月にリリースされたデビューアルバムを今の彼らが演奏するとどうなるのか。

まだバンドのスタイルも決まっていない頃の音源が、6 年の時を経て成長したバンドに よって再現されると、どのようなコトになるのか。ファンならずとも大きな期待が寄せられる企画だ。

昨日と同じように登場した 3 人だが、なんと活動初期の衣装で登場。 コアなファンからは大きな歓声があがった。 すでに大きな興奮が渦巻き始めている中、アルバムと同じように「みんなのチカラ」 からライブが開始。 出だしから、即興アレンジ満載で、自身の曲の成長した姿を魅せる H ZETTRIO。

後に MC で語られたが、本人たちにとっても久しぶりに演奏する曲もあり、かなり新鮮 な感覚だったそうだ。 デビュー当時から大きく進化した面もあれば、最新楽曲と比べても変わらないものを 感じさせる面もある。バンドの魅力が改めて現れる演奏に客席には終始、興奮と感嘆 の空気が溢れている。「PARTY TIME」や「世界は廻るよ」では怒涛のソロ回し。「黄昏ウィークエンド」で はシックな空気で魅せる。ラストの「YOU」ではその美しいメロディーが客席を包み、 会場は幸せな空気で満たされた。

この日も満員の会場からのアンコールに応えた H ZETTRIO。MC で、本当はデビューアルバムの衣装で登場したかったようだが「服というのは置い ておくだけで縮むんですね」と笑いを取る。 そしてデビューアルバムとの対比として、最新作を演奏。

今年は 1 月から 12 ヶ月連続でシングルを配信・リリースしている彼らだが、1部のア ンコールでは 5 月 1 日に配信された「Virtual World (Jazz)」、2 部では 6 月 1 日リリ ースされる「気分上々 - Woo - he !! - 」を披露。 バンドの進化というものをまさに体感できる、1 日だけの特別な夜は大興奮の中、幕を 閉じた。

次回の彼らの公演は、つい先日発表され話題を呼んでいる「「響」× 「娯」世界遺産 奉納コンサート THE SOUNDS OF JAPAN」だ。

これは、今年 2 月にバンド史上最大規模で開催された静岡グランシップ公演での共演 も記憶に新しい、伝統と革新の和楽器演奏ユニット「 AUN J クラシック・オーケスト ラ」との世界遺産でのコラボレーションライブとなっている。

6/29(土)には福岡県 宗像大社、7/28(日)には奈良県 金峯山寺蔵王堂と日本が世界に 誇る世界遺産でジャズと和楽器という前代未聞のコラボレーションライブを繰り広げる。 この特別な企画は日本最大級の訪日外国人向けポータルサイト“MATCHA(マッチャ)” にて Youtube ライブ配信が決定しており、全世界に向けて発信される。

それらが終わるとすぐに 7 月から年末まで全国 25 カ所を回るホールツアーも決定して おり、すでに完売の会場も出ているという。 まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの彼らの力強い演奏を是非生で体感してみてはいかがだろうか。(写真撮影:Yuta Ito )

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