長崎西高・生物部 カメムシの音研究 優秀賞など受賞

世界大会で使ったポスターを前に研究を振り返る(左から)玉田さん、日南さん、宮崎さん=長崎市、長崎西高

 5月に米国アリゾナ州で開かれ、世界各地から集まった高校生が研究発表した国際学生科学技術フェアで、カメムシに関する研究成果を紹介した長崎県立長崎西高生物部の3年生チームが動物科学部門で優秀賞4等を受賞。併せて、特別賞「米国音響学会賞1等」にも輝いた。
 出場したのは生物部部長の玉田結唯さん(17)、日南瑶さん(17)、宮崎文那さん(17)。詳しい生態が明らかになっていないカメムシの一種、ハシリカスミカメムシ類が発する音などの研究に取り組み、昨年12月の全国大会「高校生科学技術チャレンジ(JSEC)」で2位を獲得。世界大会への出場権を得た。米国での大会には世界80以上の国や地域から約1800人の高校生が出場し、動物科学、植物科学、機械工学、微生物学など22部門で競った。
 チームは世界大会へ向け、研究内容を英語に翻訳。同校の外国語指導助手(ALT)、セリエン・セラーノさん(26)=カナダ出身=のアドバイスも受けながら、細かいニュアンスを修正し、プレゼンテーション力に磨きをかけた。玉田さんは「虫が発する音は『サウンド』でいいのかなと思ったが、こすったような音の場合、違う表現の方が伝わると教わった」と振り返った。
 大会では、ポスター掲示と英語のプレゼンテーションで審査員に研究内容を発表。虫が苦手なメンバーもいる中、協力して草原で虫を採取したこと、飼育に適した餌を考案したこと、無音状態で虫の音を録音するのに苦戦したこと-。研究に没頭してきた日々を振り返りながら、自分たちが見いだした成果を伝え、質問に答えた。
 宮崎さんは「マイナーな虫の研究に興味を持ってもらい、うれしかった。頑張ってきたことが報われた」と笑顔。科学の魅力について、日南さんは「実験は大変だけれど、やっていく中で、思わぬ結果が出る。教科書に載っていることではなく、新しいことに出会える」と語った。

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