五輪聖火17市町へ 長崎県 5月8、9日 離島もルートに

長崎県のルート概要

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は1日、来年3月26日から47都道府県を巡る五輪聖火リレーのルート概要を発表した。長崎県は5月8、9の両日、壱岐、五島列島、対馬の離島を含む17市町を聖火が駆け抜ける。各市町の詳細ルートは年末までに決める予定で、長崎県の特色である世界遺産や長崎市の平和公園などが組み込まれる見込み。

 初日は南島原市をスタート。島原市、雲仙市から壱岐市、新上五島町を挟み、諫早市、大村市を経て長崎市へ入る。最終日は西彼長与町を出発。西彼時津町、西海市から五島市、対馬市を挟み、松浦市、平戸市、北松佐々町を通って佐世保市へゴールする。
 長崎県に聖火が入るのは都道府県順で20番目。県実行委によると、19番目の熊本県から長崎県のスタートとなる南島原市、ゴールとなる佐世保市から佐賀県への受け渡しや、本土から離島への具体的なリレー方法などは大会組織委員会と協議を進めている。
 全体的なルートは、東日本大震災などの被災地、各地の世界遺産や名所を組み込んでおり、「復興五輪」の理念とともに地域の魅力を発信する。通過する市区町村は日本全体のほぼ半分の857。121日間で約1万人がリレーする。
 ルートには津波に耐えた岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」、被災後に再建された宮城県南三陸町の「南三陸さんさん商店街」などが入った。16年の熊本地震で破損し修復中の熊本城や昨年7月の西日本豪雨からの復旧作業が続く広島県南部も通る。
 各日のリレーは午前10時ごろから午後8時ごろまで。自治体間の聖火の移動は主に車を使い、離島など遠隔地では、別のランタンに分けた聖火を使う「瞬間移動」も活用する。スタートは原発事故の対応拠点となった福島県楢葉町、広野町のサッカー施設「Jヴィレッジ」。7月24日の開会式で新国立競技場の聖火台に点火する。
 聖火ランナーには08年4月1日以前に生まれた人が応募できる。走りたい都道府県に何らかの縁があることが条件。17日以降、スポンサー企業や各地の実行委員会が順次、募集を始め、選ばれた人には12月以降に通知する。

© 株式会社長崎新聞社