レコードブレイク連発のMotoGPイタリアGP予選、マルケスがポール獲得。2番手は最速ルーキー、クアルタラロ

 MotoGP第6戦イタリアGPの予選がムジェロ・サーキットで行われ、MotoGPクラスはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がオールタイムラップ・レコードを更新するタイムでポールポジションを獲得した。2番手にはファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)がつけ、今季2度目のフロントロウに並んだ。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は10番グリッドを獲得している。

 フリー走行3回目では序盤にマルケスがトップにつけていたが、セッション開始25分ころ、中上がマルケスのタイムを0.12秒上回り、トップに浮上する。中上はその2周後もタイムを更新し、1番手をキープ。

 セッションの残り時間が10分を切るころになると、ダニロ・ペトルッチ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)、ポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)が相次いでタイムを更新。ペトルッチは1分46秒056という、これまでのオールタイムラップ・レコードを0.152秒更新するタイムでトップに立つ。

 ペトルッチはこのタイムでセッションを制し、2番手はポル・エスパルガロがキープ。3番手には最後のアタックでポジションを上げたマルケス、中上は4番手で予選Q2へのダイレクト進出を決め、ドゥカティ勢トップはジャック・ミラー(プラマック・レーシング)の5番手だった。

 なお、このセッションではペトルッチが

リヤのブレーキディスク部分を覆うカバーを装着して走行を行うペトルッチ

シーンも見られた。この新しいパーツは、初日にドゥカティのテストライダーであるミケーレ・ピロのマシンに投入されたものだ。

 フリー走行4回目では、終盤までマルケスがトップをキープしていたが、最後のアタックでクアルタラロがトップを奪い、さらにマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)も2番手タイムをマーク。マルケスは3番手でセッションを終えている。

 4番手はアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、5番手はジャック・ミラー(プラマック・レーシング)でドゥカティ勢トップ。中上は7番手、フリー走行3回目でトップタイムをマークしたペトルッチは8番手だった。

■予選Q2はレコード更新合戦。マルケスが最後のアタックでポール奪取

 予選Q1は気温25度、路面温度46度のドライコンディションで行われた。このセッションから予選に臨んだのは、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)、バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、ホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)、そしてチーム・スズキ・エクスターのアレックス・リンスとジョアン・ミルなど13名のライダーだ。

 最初のアタックでトップに立ったのはピロで、1分46秒283をマークし、2番手にリンスがつける。ドヴィツィオーゾがアタック2周目にタイムを更新するも、トップふたりのタイムには及ばない。

 セカンドアタックに入っても大きな順位変動は見られないままセッションは残り1分を迎える。ここでドヴィツィオーゾが最後のアタックに入った。ドヴィツィオーゾは1分46秒278を叩き出し、ピロのタイムを0.005秒更新。ラストアタックで見事、トップに立ち、Q1突破を果たした。2番手はピロで、ドゥカティのふたりがQ2進出を決めている。

 予選Q2もコンディションはほぼ変わらないなかセッションがスタート。Q2は序盤からハイペースな戦いとなった。まずマルケスが1分46秒291をマークすると、直後にクアルタラロが1分45秒992をマーク。クアルタラロのこのタイムは、フリー走行3回目ペトルッチが記録したオールタイムラップ・レコードをさらに更新するもので、トップに立った。

 クアルタラロはその翌周もさらにタイムを短縮して1分45秒845を記録。トップを堅守する。2番手にビニャーレス、3番手にマルケスが続く状況。

 セカンドアタックに入ると、ジャック・ミラー(プラマック・レーシング)、ペトルッチなどがタイムを更新。ペトルッチは1分45秒881を記録するが、クアルタラロにはわずか0.036秒及ばない。さらに終盤、フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)も1分46秒を切るタイムを叩き出し、3番手に浮上する。

 このままクアルタラロがポールポジションを獲得するかと思われたセッション最終盤、マルケスが最後のアタックを敢行。マルケスはこの時点でトップ5以下につけていた。

 先行するドヴィツィオーゾの背後につけたマルケスは、ドヴィツィオーゾのスリップストリームを利用してストレートで加速していく。コントロールラインを駆け抜けたマルケスが記録したタイムは、1分45秒519。クアルタラロのタイムを0.214秒更新し、見事、ポールポジションを獲得した。

 セッション序盤にトップタイムを叩き出し、ほとんどそのままトップを守ってポールポジションを獲得することが多かったマルケスだが、今回はコース上の戦略でもってポールポジションを手にした。

 マルケスとともにフロントロウに並んだのは2番手のクアルタラロと3番手のペトルッチ。4番手にはモルビデリ、5番手にはミラーが続いた。中上はトップから0.868秒差の10番手で、4列目に並んだ。

中上は10番手。5列目から決勝レースに臨む

 Q2ではトップのマルケスから5番手のミラーまでが、フリー走行3回目でペトルッチが記録したオールタイムラップ・レコードを更新する、ハイレベルな争いとなった。

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