WRC:トヨタ、第7戦2日目はトラブル頻発も1−2維持。タナク、完走できたのは「不幸中の幸い」

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 2019年のWRC世界ラリー選手権に3台のトヨタ・ヤリスWRCを投じているTOYOTA GAZOO Racing WRT。6月1日に行われたシリーズ第7戦ポルトガルの競技2日目は、オット・タナクが総合首位、クリス・ミークが総合2番手につけたものの、ヤリ-マティ・ラトバラがデイリタイア。また3台ともにマシンに不具合を抱える1日となった。

 前日17.3秒のリードを築いて総合首位に立ったタナクは、競技2日目最初のステージでブレーキシステムに不具合が発生。

 このトラブルにはステージ完走後のリエゾン(移動区間)で応急処置を施したものの、最終ステージのSS13ではサスペンショントラブルに見舞われ、ミークとの差を4.3秒まで削られてしまった。また、総合3番手のティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)も9.2秒差に迫っている。

ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)

 総合2番手につけていたヤリ-マティ・ラトバラはSS9〜10でステージトップタイムを刻み、タナクとの差を5.1秒まで詰めたが、SS11にあるジャンピングスポットの着地でフロントサスペンションにダメージを負ってしまう。

クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)

 サスペンションにトラブルを抱えたまま、続くSS12を完走したラトバラだったが、SS13には出走せず走行を断念。デイリタイアを余儀なくされた。チームはマシンを修復し、競技最終日には出走する予定だ。

 残るクリス・ミークもSS13スタート前に警告灯が点灯し、このステージをサイドブレーキなしで走行することになったものの、そのほかに大きなトラブルはなし。「このクルマで走ったなかで最良の日だったと思う」と語るほどの好走で、タナクと4.3秒差の総合2番手につけている。

■チーム指揮するマキネン代表「ラトバラがいい結果を渇望しているのを知っていたから、本当に残念」

 チーム代表のトミ・マキネンは、厳しい1日となった戦いを「信じられないくらい難しく、いろいろなことが起きた1日だった」と総括する。

「それでも依然ワン・ツー体制を維持しており、最終日に向けてチームはいい位置につけている。ヤリ-マティ(ラトバラ)は午前中とても速く、彼がいい結果を渇望しているのを知っていたから、本当に残念だ」

「オット(タナク)もまた同様の問題に遭遇したが、彼の場合は幸運にも1日の終わりに近かったから、あまり大きな影響を受けなかった。彼らのクルマに起きた問題について、これから慎重に調査を進めて原因を究明し、次のサルディニアに向けて再発防止に努める」

「現状、ライバルとのタイム差はあまり大きくないが、我々のドライバーは自信を持っているし、最後まで戦い続けることを楽しみにしているようだ」

 シーズン3勝目に向けて、もっとも有利な位置につけるタナクは「最後まで走りきれたのは不幸中の幸い。依然ラリーをリードしているが、油断はできない。日曜日は勝負がほぼ決まり退屈に感じることもあるが、今回に関しては最後まで攻め続けなければならないし、そのようなバトルをするのが楽しみだ」とコメント。

 またも表彰台圏内走行中にデイリタイアを余儀なくされたラトバラは「とてもフラストレーションを感じる」と悔しさを隠さない。

「午後の1本目のステージ(SS11)でクルマのフロントに違和感を覚え、何か問題が起きたと理解した。自力で応急処置を試み走り続けたが、道がとても荒れていたから、最終的には壊れてしまったんだ」

「ポディウムを狙える位置につけていたから、とてもフラストレーションを感じる。ただし、少なくとも速さはあったから、それはモチベーションの原動力になるし、これからも戦い続けるよ」

クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)

 ミークは「オットと僕が、このままワン・ツー・フィニッシュすることがチームにとって重要だから、明日も全力で戦う」と、トヨタ加入後初の表彰台獲得へ意欲をみせている。

 競技最終日の2日はSS16〜20の5SSで争われる。このうちSS17、20として行われる“ファフェ”は大きなジャンピングスポットがあるラリー・ポルトガル名物ステージ。またSS20はステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージとなっている。

 全5SSの合計距離は51.77km、リエゾンも含めた1日の総走行距離は276.39km。最終SSは日本時間20時18分にスタートする予定だ。