【シーサイドライン逆走】止まった生活の足 見えぬ運転再開、利用者困惑

シャッターが降りた駅改札方面へつながる出入り口=横浜市磯子区

 横浜市の新交通システム「金沢シーサイドライン」の車両が逆走し14人が負傷した事故は、市民生活を直撃した。一夜明けた2日も新杉田-金沢八景間の全線で運転を見合わせ、運営会社はバスによる代行輸送を実施。沿線には観光地や病院も多く、一時バス待ちの行列もできた。事故が起きた新杉田駅では復旧のめどを尋ねる人の姿も目立ち、生活や行楽の足を失う事態に困惑の色を浮かべていた。

 朝の新杉田駅、改札口へとつながる階段入り口はシャッターが下ろされたままで、運休を告げる看板が急きょ設置された。

 「運転を見合わせています」「復旧のめどがたっていません」-。状況を伝える駅員にさらなる説明を求めようと人だかりができ、代行バスや他路線での迂回(うかい)を余儀なくされた市民らがいら立ちを募らせる場面も見られた。

 同駅のバスターミナルでは代行バスの利用者を誘導するため、バス事業者や市職員らが対応に奔走した。新杉田-金沢八景間を循環する代行バスは、午前8時半ごろから約30分間隔で運行された。当初はバス待ちの列もでき、通勤途中の20代の男性会社員は「バスは電車より時間がかかり不便。到着は始業ぎりぎりになりそう」とそわそわしながら話した。

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