ル・マン24時間:トヨタ、テストデーを1-2で終える。ハートレーもTS050ハイブリッド初搭乗

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 ル・マン24時間の舞台となるフランス、ル・マンのサルト・サーキットで6月2日、第87回大会の“テストデー”が行われ、TOYOTA GAZOO Racingは8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ/ブレンドン・ハートレー組)が総合トップタイムをマークした。また、7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス/ハートレー組)も2番手タイムを記録し、トヨタの2台がタイムシートの最上段をワン・ツーで占めた。

 世界三大レースのひとつであるル・マン24時間レースに向けたプレイベントとして例年、6月最初の週末に行われるこのテストは、本番と同じ1周13.626kmのサルト・サーキット(ル・マン24時間サーキット)をレースウイーク以外で走れる唯一の機会となる。

 そのため、このテストデーにはトヨタを含む全62台が参加。各チームは2週間後の戦いに向けて準備を進めていく。2018年に初優勝を果たしたトヨタも日本メーカー初の連覇を目指すべく、7号車と8号車の2台トヨタTS050ハイブリッドを持ち込み、合計8時間のテストセッションのなかで空力、ハイブリッド・ブーストなど広範囲に渡るセッティングの確認を行った。

 今回、チームにはWEC“スーパーシーズン”を戦うレギュラードライバー6名に加えて、2019/20年シーズンからラインアップに加わるハートレーも帯同。今戦ではリザーブドライバーとして万が一のアクシデントに控えるル・マンウイナーは、本戦出場条件を満たすためTS050ハイブリッドに乗り込み、トヨタでの公式セッションデビューを飾っている。

 テスト後、ハートレーは「この素晴らしいサーキットを、四輪駆動&1000馬力のハイブリッド・レーシングカーで走ることができて、最高の気分だよ」とコメント。

「ちょっと残念だったのは、それは僅か3周で終わり、ピットに呼び戻されてしまったことだね。もちろん予定どおりで、分かっていたことだけど」

「このコースでのTS050ハイブリッドによる走行は本当に楽しかった! またドライブできる日が待ちきれないよ」

■ブエミ駆る8号車トヨタが最速。「まだ始まったばかり」と小林可夢偉

わずか3周ながら、トヨタTS050ハイブリッドで公式セッションデビューを果たしたブレンドン・ハートレー
TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド
“本物”の前に並べられたトヨタTS050ハイブリッドのミニカー
8号車に乗り込んだセバスチャン・ブエミ

 午前と午後のセッション中、2台あわせて220周、約2998kmを走破したトヨタTS050ハイブリッドは、最新の性能調整EoT(イクイバレンス・オブ・テクノロジー=技術の均衡)によって最低重量が昨年より10kg重くなっている。

 その影響や30度にまで上った気温のせいもあってか、8号車のブエミが記録した3分19秒440というタイムはこの日の総合トップタイムであるものの、2018年のテストデー最速タイムと比べると、わずかに後れをとることになった。

 なお、7号車は僚友8号車から0.809秒遅れとなる3分20秒249をマーク。こちらは総合2番手タイムとなり、この結果トヨタは2018年に引き続き、2019年のテストデーもワン・ツーで締めくくっている。

「今日は良い1日でした。一歩一歩セットアップを進め、車両がどんどん改良されていきました」と語った可夢偉。

「コース自体も時間が経つごとに路面にラバーが乗って良くなっていきました。もちろん、今日のラップタイムですべてを結論づけてしまうのは早すぎます。まだ始まったばかりで、コースもこれからさらに変化していくでしょう」

 チームメイトのコンウェイも「最初、コース路面は埃っぽかったけれど、徐々に良くなっていった」とコメント。マシンの感触はとても良いと語った彼は「重要なのはコース上に現れるほかの車両をかわすためにリズムをつかむことだ。今年は62台もの車両が出場するので、いかにタイムをロスせずかわせるかが重要になるだろう」と付け加えている。

 テストデー総合トップタイムを記録したブエミは、周回を重ねることで多くのデータが集めることができた点を喜ぶとともに、「今日は昨年よりもとても暑い一日となり、このようなコンディションでの車両について学べたことも良かった」とテストを振り返った。

 そのブエミのチームメイトである一貴は「今日の主な目的は、周回をこなしてクルマとサルト・サーキットの感覚を取り戻すこと、さまざまなタイヤの仕様チェックでした」とミッションを説明。

「レースウイークも同じコンディションになるかどうかはわかりませんが、今のところは周回毎に学んでいるところで、何も問題なく順調に進んでいます」と好調をアピールした。

 また、2019年のル・マンを最後にチームを離れるアロンソは「2台のトヨタTS050ハイブリッドが、それぞれ100周以上、1000km以上を走破でき、良い一日になった。昨年のル・マン以来の走行だったが、すべてが予定どおりに進み満足しているよ」と語っている。

 ベストといえる状態でテストデーを終えたTOYOTA GAZOO Racingはそのままル・マンに留まり、4日には常設のブガッティ・サーキットでロールアウトテストを実施する予定だ。ル・マンのレースウイークは9日の公式車検から本格的な幕開けとなる。

ユノディエールを駆け抜けるトヨタTS050ハイブリッド
7号車をドライブする小林可夢偉
TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッド
TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッド