クラブチームによるサッカーの大陸選手権である欧州チャンピオンズリーグ決勝が1日、マドリードで行われ、リバプールが2―0でトットナムとのイングランド勢対決を制し6度目の優勝を果たしたが、試合中、黒い水着を着た若い女性がピッチに侵入、しばらく走り回ったものの、警備員に捕まり追い出されるハプニングがあった。
試合が一時中断されるなどの騒ぎとなり、女性の身元などに関心が集まったが、米国のモデル、キンシー・ウオランスキさんだったことが判明。ウオランスキさんは交際相手のロシア出身男性が運営する米国のアダルト向けサイトの広告のためピッチに飛び出した。水着の胸にはこのサイトの広告のための文字が書いてあった。ロシアのスポーツニュースサイト「スポルト・ルー」などが伝えた。
男性はいたずらを見せるユーチューブ・チャンネルなども運営、多数のフォロワーを得ていた。米国の広告コンサルティング会社の試算によると、チャンピオンズリーグ決勝での広告効果は約400万ドル(約4億3300万円)に値するという。
ウオランスキさんのインスタグラムのフォロワーも侵入後、うなぎ上りに上昇。200万以上に達したが、インスタグラム側はその後、アカウントを閉鎖した。交際相手の男性自身も2014年のサッカーワールドカップ・ブラジル大会決勝で上半身に広告の文字を書いて侵入、試合を妨害したことも分かった。
結局、男性はただで巨額の広告をしたことになり、モデルの女性も一躍、有名となる結果に。主催者側がこうしたことを許していれば、模倣犯が続出する可能性も懸念されている。 (共同通信=太田清)