サントリーHD、2030年までにペットボトルを100%エコ素材に

サントリーHDは31日、2030年までにグローバルで使用するペットボトルの素材を、リサイクル素材と植物由来素材に100%切り替え、化石由来原料の新規使用ゼロの実現を目指す「プラスチック基本方針」を発表した。このほか、リサイクルシステムの構築を進めるために、同社が事業を手がけるすべての国で政府、業界、NPO/NGOとの連携を推進することなどを盛り込んだ。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局)

同社は今年3月、ペットボトルリサイクルの一部工程を省くことで、環境負荷低減と再生効率化を同時に実現する「FtoPダイレクトリサイクル技術」を世界で初めて開発した。今回策定した「プラスチック基本方針」に基づき、「FtoP製造ライン」を増設するなどし、目標の達成を目指す。

目標達成年を2030年とした理由について「グローバルですべてのペットボトルを、リサイクルペットとバイオペットにするのは、数年内にできることではない」と、同社広報部の長門祐也氏は話す。またリサイクルペットボトルについては、自治体などと協業し、効率的な回収スキームの構築も同時に取り組む。循環型経済の実現のためには、リサイクル資源の回収スキームを構築することは必須。

さらに同社は以前から、100%バイオペットボトルの開発に取り組んでいる。「2023年には商業プラントの立ち上げを目指す」(長門氏)とした。

「商品の源泉である自然の恵みに感謝し、多様な生命と人類社会がともに輝き響きあう世界の実現をミッションに掲げている『水と生きる』企業として、地球環境に重大な影響を及ぼすプラスチック問題に取り組む責務があると考えている」(長門氏)

サントリーグループ「プラスチック基本方針」

サントリーグループは、商品の源泉である自然の恵みに感謝し、多様な生命が輝き響きあう世界の実現にむけて、循環型かつ脱炭素社会への変革を強力に先導します。

プラスチックはその有用性により、われわれの生活にさまざまな恩恵をもたらしています。当社が使用するプラスチック製容器包装が有用な機能を保持しつつも、地球環境へネガティブな影響を与えないよう、多様なステークホルダーと、問題解決に向けた取り組みを推進していきます。また、問題解決に向けサントリーグループ社員の一人ひとりが責任ある行動に努め、持続可能な社会を率先して実現します。

1.Recycle & Renewable: 
①2030年までに、グローバルで使用するすべてのペットボトルの素材を、リサイクル素材と植物由来素材に100%切り替え、化石由来原料の新規使用ゼロの実現を目指します。
②全ての事業展開国において、各国の国情に応じた効率的なリサイクルシステム構築のために必要な施策を、政府機関や業界、環境NGO、NPOなどとともに積極的に取り組みます。

2.Reduce & Replacement: 
資源の有効活用のために、容器包装のデザイン変更等により、プラスチック使用量の削減を推進するとともに、環境にネガティブな影響を与えない代替となる容器包装の導入の検討をすすめます。

3.Innovation: 
リサイクル率向上、環境影響を最小限におさえる素材領域等におけるイノベーションに積極投資します。

4.New Behavior: 
人々の行動変容を促す啓発活動を実施するとともに、サントリーグループ社員一人ひとりが、ライフスタイルの変革に努め、分別収集の促進、河川、海岸の清掃活動などの社会貢献活動にも積極的に参加します。

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