“幻の深海魚”2匹見つかる 海きららで冷凍保管

発見されたリュウグウノツカイ(海きらら提供)

 生態が解明されておらず“幻の深海魚”といわれるサケガシラとリュウグウノツカイが5月下旬、長崎県内で相次いで見つかった。佐世保市鹿子前町の九十九島水族館(海きらら)は2匹を冷凍保管し、記録や調査に役立てる。

 同館によると5月23日午前、西海市西彼町白崎郷の浅瀬でサケガシラが泳いでいるのを住民が発見。全長77.5センチ、重さ0.4キロ。捕獲し、同館の水槽で約2時間展示したが、その後死んだ。日本周辺の水深200メートル~500メートルに生息。銀白色の細長い体で、赤色の背びれを持つのが特徴。成魚は2メートルを超えるという。

 リュウグウノツカイは5月27日に平戸市生月町舘浦で定置網にかかり、同館に搬送する途中で死んだ。全長204センチ、重さ1.25キロ。水深200メートル以下に生息するとされ、糸状の背びれと腹びれを持つ。成魚は全長約3メートル~5メートルが多い。2017年5月にも同じ場所で確認されていた。

 2匹とも弱った状態で発見されたとみられる。同館の担当者は「深海魚が続けて発見される機会はないため、驚いた。サケガシラの生きたままの展示は初めてで、短い時間だったが貴重だった」と話した。

水槽で展示されたサケガシラ(海きらら提供)

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