純心女 4年ぶりV バスケットボール 「走り勝つ」に磨きかけ

【バスケットボール女子決勝リーグ、純心女-長崎西】第4クオーター3分、純心女のガード岩永(左)がドリブルで切り込みパスを出す=佐世保市体育文化館

 ようやく越えた壁の向こうに、最高の瞬間が待っていた。バスケットボール女子は純心女が4年ぶりにV奪回。大久保監督は「強い気持ちが最大の勝因」と延長と合わせて45分間を走り抜いた選手たちをたたえた。

 2016年以降、県で4強入りを逃してきた。4月の県春季選手権も準々決勝で長崎西に7点差で敗れた。「最後は4強の壁を越えたい」。チームは練習後に走り込みを追加するなど、掲げてきた「走り勝つバスケ」に磨きをかけてきた。

 迎えた本番。2日に第1シードの長崎女を倒して、目標の4強入りを果たした。その後は、主将のガード岩永から「壁は越えた。あとはやれるだけやろう」と元気づけられた選手たちがコート上で躍動。2勝同士で迎えた長崎西との決勝リーグ最終戦も、岩永、センター平川を軸に序盤からリードを保ち、10点リードで最終クオーターに入った。

 ここから一気に差を詰められて延長に持ち込まれたが、選手たちは自信があった。「まだ足が残ってる。負ける気がしない」。走力を生かしたパスカットやドライブで攻め続け、春とは逆に「7点差」をつけて県の頂点をつかんだ。

 試合後、歓喜の輪の中で、岩永だけは泣かなかった。「実は4強を決めた時、少し泣いた。やっと壁を越えたんだって。でも、今はもう追われる立場。泣いていられない」。仲間より一足先に次を見据えた主将は、力強く、誰よりも晴れやかに笑った。

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