左腕・カイケル獲得レースの本命はヤンキースか

アストロズで7年間プレイし、通算防御率3.66、シーズン200イニング以上を3度記録したほか、2015年にはア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いたダラス・カイケル。実績豊富な先発左腕は昨季終了後にフリーエージェントとなるも、現在に至るまで契約が決まらずにいる。しかし、2019年のドラフトがスタートしたことによってカイケル獲得に伴うドラフト指名権の喪失が発生しなくなり、カイケルの市場が本格的に動き始めている。関係者によると、獲得レースの本命はヤンキースであると見られているようだ。

日本時間6月5日、関係者がMLB公式サイトのマーク・フェインサンドに伝えたところによると、カイケル獲得レースの先頭を走っているのはヤンキースとブレーブスだという。その後、フェインサンドは別の関係者から聞いた話として、ヤンキースが本命であることを伝えており、ブレーブスはツインズやカージナルスとともに「第二集団」に位置しているようだ。

ヤンキースは開幕前から現在に至るまで、エース右腕のルイス・セベリーノを欠いた状態での戦いを強いられており、ジェームス・パクストンとCCサバシアの両左腕もコンディション面に不安を抱えている。また、今季すでに9勝をマークしているドミンゴ・ヘルマンは、シーズン後半に投球イニング数の制限を設けられる見込みであり、カイケルはこうした不安要素を一掃するためにうってつけの存在と言える。

一方のブレーブスは資金面にそれほど余裕がないと見られており、マックス・フリードやマイク・ソローカといった若手投手が台頭していることもあって、カイケル獲得への動きを本格化させるかどうかは微妙なところ。しかし、日本時間6月4日終了時点で地区首位のフィリーズに0.5ゲーム差の2位につけていることもあり、2年連続の地区優勝に向けてカイケル獲得という決断を下す可能性もある。

ツインズやカージナルスも含め、ようやくカイケルの市場が本格的に動き始めたことは間違いない。早ければ近日中にも、元サイ・ヤング賞左腕の新天地が決定することになるかもしれない。

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