【バレーボール】<早慶対談①>駿台学園対談 村山豪×小出捺暉

左から、慶大・小出、早大・村山

第83回早慶バレーボール定期戦まであと4日。本日から3日間にわたって早慶対談をお送りする。初回の本日は、駿台学園対談。早大・村山豪選手(スポ3・駿台学園)と慶大・小出捺暉選手(環2・駿台学園)のおふたりに、駿台学園時代の思い出や、早慶戦に向けた意気込みなど、たっぷりとお話を伺った。

(※この取材は4月27日(土)に早稲田スポーツ新聞会と合同で行いました。)

――まずはお互いを紹介してください

小出 コートの中では無口なくせして、日常生活は本当に明るくて優しいしすごく楽しい人です。でもコートの中ではもうちょい笑顔でバレーしたほうがいいんじゃないかなと思います(笑)。

村山 いや、笑顔だし(笑)。先輩だと思われていなくて友達みたいな感覚なんですけど。でもそれくらいすごく仲が良くて、同じチームだったときもすごく頼りになる選手でした。ここ1点っていうときも決めてくれるし、チームの雰囲気もすごく盛り上げてくれるし、周りを見れているし。すごく良い友達です(笑)。めっちゃ褒めた(笑)。

――おふたりは現在も遊びに行ったりしていますか?

小出 はい。

――最近だといつですか?

村山 2人でカラオケ行ったよね。

小出 うん。

村山 めっちゃ遊びに行きます。 友達なんで(笑)。

――初めてお会いしたのはいつですか?

小出 小学校のとき試合して勝ちました。僕が小5のとき全国で当たったんですよ。

村山 それで負けました。

小出 勝ちました(笑)。そこで初めて会った訳ではないけど…

村山 そこで面識みたいな(笑)。

――お話ししたのはもっと後ですか?

村山 入学したときじゃない?

小出 入学したときですね。中学も駿台なんで。

――そのときのこと覚えていますか?

2人 全然覚えてない(笑)。

村山 でも対人やってたの覚えてる(笑)。

小出 1個上と新入生で先生が組んだときに、豪さんと対人やった(笑)。

村山 懐かしい(笑)。やってたね(笑)。

――最初のころから仲良しだったんですか?

小出 結構同期の数が多くて、同学年で遊ぶみたいな感じでした。中学のときは。

村山 どっちもいたもんね。

――お互いの第一印象は?

村山 ちっちゃい。

小出 でかかったっすね。僕は153くらいで。入学したとき。で、豪さんは…

村山 そのとき175~6くらいでしたね。

小出 まじでかかったです(笑)。腕も長いから。

村山 ありがと(笑)。

小出 脚は短いから。

村山 うっせーよ(笑)。脚なげーよ(笑)。

――駿台学園時代を振り返っていただきたいと思います。中高と全国制覇を何度も成し遂げられました。駿台学園での6年間はどんな6年間でしたか?

村山 優勝とかの経験もできていたのですが、逆に準優勝とか3位っていう悔しい思いもできて、すごく充実した6年間だったし、一緒に戦っていた仲間も良かったのですごく濃い時間でした。

小出 自分たちの代は成績残せなかったんですけど豪さんたちの代でいろいろな経験をさせてもらって、そこはすごく感謝しているし、豪さんも言っていましたが学年関係なく仲が良くて、その辺もすごく充実していたけれど、一番最初に出てくるのは「きつかったな」っていう。特に先輩たちが抜けた高3のときがきつかったです。一番きつかった、まじで(笑)。

村山 きつかった(笑)?

小出 人生で一番(笑)。

――練習量的にはきつかったんですか?

村山 もう、レベチ(笑)。

小出 もう本当にやばいよ(笑)。

村山 今できないっすもん、あの練習。

小出 しかも国体とかで来た選手と一緒に練習するんですけど、そのときも全然きつい。

村山 だってやばいよね。ディグ(スパイクレシーブ)練習さ、トータル2時間くらいやるっけ(笑)。

小出 2時半から8時半くらいまで練習やって、もう本当にオフがないっていう。

――え!オフないんですか?

村山 「え!?」ですよね(笑)。ないですないです。バレーに捧げてたよね。

小出 月曜日と水曜日はトレーニングだったんですけどそれがオフみたいな(笑)。

村山 いやオフではない(笑)。レシーブ練習やばいよね。

小出 スリーメンやばい(笑)。

村山 コートに3人入って先生が球を出すんですけど、先生球出しめっちゃ上手いからきついところに全部やってくるんですよ。一人一人の弱点をわかっているからそこに全部出して、みたいな(笑)。

小出 しかもこっちは3チーム(のローテーション)でやっているんですよ。先生ずっと球出ししてんのにずっと質が落ちないっていう。

――では「高校生らしいこと」ってあまりしていなかったんですね

小出 何が高校生だか(笑)。

村山 そう、何が高校生だかわかんない(笑)。

――駿台学園時代で一番印象に残っている試合は

小出 春高(全日本バレーボール高等学校選手権)ですよ。春高決勝が自分は一番っすね。

村山 あれやばかったまじで、まじで捺暉のお陰で勝ったよね!

小出 あのときめちゃくちゃ調子良かった(笑)。

村山 終わったって思ったもん。ありがと、勝たせてくれて(笑)。自分はなんだろうな、印象に残ってる試合だったら高2のときの春高で今同じチームの宮浦(宮浦健人=早大3年・鎮西)に負けたのが一番です。鎮西ね。鎮西なぁ。強かったもんな。

小出 強かった(笑)。

村山 宮浦が強かったです。今も強いけど(笑)。

――村山さんは引退されるときに何か小出さんたちに声をかけましたか?

村山 声かけたというよりはなんか「引退しないで」ってずっと言われました。「なら一緒に引退する」って言われました。

小出 一緒に引退したかったっす。

村山 声かける前に「(一緒に)引退する」って言われました。

小出 そこから地獄が始まった(笑)。

村山 何か声かけたっけ?応援行くくらい?

小出 練習は結構来てくれた。

村山 練習は行きました。リーグとかが終わったオフのときとかに同期の子何人かと一緒に練習とか出たりしてました。

小出 オフ使って来てくれてるんですけどボコボコにされるんですよ。しかも豪さんと学芸の裕亮さん(吉田裕良=学芸大3年・駿台学園)と立教の本澤さん(本澤凌斗=立教大3年・駿台学園)が来てくれるんですけど…

村山 それだけだっけ?来てくれたの。

小出 うん。で、その人たちが前衛固定でやるんすよ(笑)。なんかもう太刀打ちできない。

――今お話にもありましたが、リーグ戦で駿台学園出身の方がいるチームと対戦するときは意識していますか?

小出 まあ少しは。

村山 少しはね。結構?人による(笑)?今日(4月27日)もやって来たし(笑)。中大のリベロ(土岐大陽=中大3年・駿台学園)!

――今でも集まったりされているんですか?

村山 仲良いです!遊びます!なんかさ、(今は)敵なのにさ、ガチの話するよね。今でもガチなバレーの話をします。

――おふたりの中の思い出深いエピソードを教えてください

村山 一番やばいのでいいですか(笑)。早稲田に練習試合しに行ったことがあるんですよ。そのときに早稲田に勝ったんだっけ?

小出 そう、勝った。

村山 早稲田が負けちゃって練習みたいのしていて。それでスライディングとかしてたから汗があったんですよ。日体の藤原(藤原奨太=日体大3年・駿台学園)のブロック練習に捺暉が付き合っていたんですけど、(捺暉が)スパイク打とうとしたら汗に気づかなくてズコンって転んで(笑)。

小出 消えた、画面から(笑)。

村山 めっちゃみんなで笑ってたもん(笑)。なんか自分珍プレーあったっけ?なんか毎日面白いことがありすぎてもうわかんない(笑)。

小出 蛍光灯事件あるじゃん。

村山 やめろ、蛍光灯はやばいまじで(笑)。まじで誰も知らないよ(笑)。ここでバラすか(笑)?部室でボールバンバン叩いていたら部室の蛍光灯割っちゃいました。そこにいるんですよ部員が。なのにその目の前で割っちゃって、パリンって音がしました。先輩とかいるんで「まじでバレないようにして!」「早くほうきとか持ってきて!」って言って。自分が割ったのに(笑)。

小出 そんときだけめっちゃ動き速かった(笑)。

村山 いつもめっちゃ遅いのにあのときの俊敏さ尋常じゃなかったよね(笑)。

小出 下にある事務室から早く蛍光灯取ってきてって(笑)。

――結局バレたんですか?

村山 バレてないです!ここでバレた(笑)。

――春リーグの振り返りをお願いします

村山 新しいチームになって自分も上級生になったということで、去年となんか気待ちが違うというか。それでも4年生がうまくまとめてくれたりしているので、それが今の良いチームの勝ちの流れに繋がっているって思います。

小出 逆に…春リーグの最初は良い流れだなって思ったんですけどそこから全然勝てないですね。

村山 入ったほうがいい?入っていい?慶應に。

小出 でもなんで勝てないんだろう。早稲田のとき(4月7日)は良い試合できたんですよ。

村山 早稲田のときいっつも良い試合しません?気合い入りすぎじゃね(笑)?

小出 なのに他には勝てないっていう。

村山 だったら早稲田とやるくらいの気持ちでいつもやれば良いんじゃない?

小出 そういう気持ちなんだけどな。

村山 いや、足りてない(笑)。早稲田のときはそういう気持ち出さなくて良いから、他のチームに出して(笑)。

――今お話にも出ましたが、リーグ戦2日目(4月7日)に早慶が対戦しました

小出 なんか気合い入るって感じで(笑)。早稲田は強すぎるイメージだから、気持ち的に失うものがないっていう感じでできるから。

村山 待って、失うもの(笑)。でも本当に気持ちが伝わるんですよね、早稲田のときだけなんか違う、みたいな。爆発力、スパイク力、高さがあるチームなのでそれに飲まれないようにっていうことではあったんですけど、2セット目取られて。そのとき自分が前衛だったんですけど、そこで回せなかったのが申し訳ないです。

――そのときの試合で印象に残っている選手はいますか?

村山 小出選手です。

小出 やっぱり。でもそのときだけじゃないですから、(豪さんは)いつも強すぎて。映像とか見るんすよ。それでなんでそのコース打ってくるの?みたいな感じです。いつも強いからこの試合だけって感じではないですね。

村山 でもあの試合(ブロックに)止められたからやめて(笑)。捺暉はあの試合結構決まってたよね。

小出 結構決まってた。

――(取材当時)新シーズンが始まって1か月たちました。今後の改善点、修正点があれば教えてください

小出 まあ細かいことを言ったらきりがないので、とりあえず今勝つためには雰囲気ですね。雰囲気を常に上げて、さっき豪さんも言ってくれたように爆発力というかそれで勝ちたいっすね。

村山 すごく今チームが良い状態なので、このままチームが良い状態で行きたいですし、自分自身もっとチームに貢献できるように練習頑張りたいです。

小出 豪さんには試合中声出してほしいです。

村山 何で(笑)?出してるって。意外と自分指示の声出してる。

――お互いをどんな人か一言で表してください

村山「器用」 小出「意外と真面目」

村山 苦手なプレーがあんまりないなあって思って。相手からしたら嫌だし、慶應では攻守の要で器用な選手だなって思ったので「器用」にしました。めっちゃ褒めた(笑)。

小出 最初全然真面目に見えなかった。試合中喜ばないほう。駿台のときも学芸の裕亮さんと…普通、点決まったら喜ぶじゃないですか。だけど前衛2人でネット際でずっと…

村山 前衛のときアタックラインから後ろに絶対行かない(笑)。

小出 周りから見たらめちゃくちゃ怖く思われるんですけど、実はこの2人(村山さんと裕亮さん)は試合のこと考えていたり、試合中はゲームを作ってくれたり、メンバーチェンジでコートに入ったときに声をかけてくれたり。そうやって人のことを考える。外からはわからないけど意外と真面目な人です。

――憧れの選手を教えてください

小出 純也さん(坂下純也=筑波大3年・駿台学園)です。高校のときとかプレー観てすごいなって思っていたんですけど、大学入って映像とか観て純也さんみたいになりたいなって思いました。

村山 汰一さん(福山汰一=早大H28年卒・現JTEKT STINGS)です。(時期が)被ってはいないんですけど早稲田の先輩で。同じポジションですごくバリエーションがある選手で速いものも打てるし、ゆっくりのも打てるし、さらにコースの幅とかも広くて。どうやって打ってるんだろうって思ったりするし、JTEKTさんに行ったときも被っていないんですけど声かけてくれたり、人間性の面でもすごいなと思っています。

――自分のチームで入れ替わるとしたら?

小出「樫村さん」

小出 樫村さん(樫村大仁=環3・茨城高専)。でかいから。ポテンシャル高い。話していると勝てないなって、頭良いから。

村山「村本選手・堀江選手」

村山 この2人はよくわからないんですよ。何でこんなに上がるのってくらいディグが上がるんですよ。2人とも面白いのはリベロもできるしサイドもできるんですよ。高校のときサイドじゃん?どっちも。村本さん(村本涼平=早大4年・洛南)はすごく器用だし、自分のやるべきことをわかっていて、レシーブの位置取りも「なんでそこにいるの」みたいな所にいて全部上げたりしちゃうし、安心するって感じです。ブロックアウトとかのスパイクも上手いし。堀江さん(堀江友裕主将=早大4年・開智)はレシーブすごく上手いし、自分に足りないガッツを持っていて。ほんとに松岡修造くらい熱いんで。なったら面白いなって思ってこの2人を選びました。

――昨年の早慶定期戦を振り返ってください

小出 足攣ったやつか(笑)。

村山 4セット目で攣ってくれてありがとうって感じ(笑)。

小出 みんな足つった(笑)。

村山 あのときの慶應、本当に強かったよね。

小出 早稲田が教育実習でいない人が多くて。

村山 藤中さん(藤中優斗=早大H31卒・現JTEKT STINGS)と小林さん(小林光輝=早大H31卒・現JTEKT STINGS)が教育実習でいなくて、友裕さんも(代表)合宿でいなくて。久しぶりに帰って来てやったらバタついちゃって。あと慶應のホーム感にやられました。アウェイでしたね。

――今年の早慶戦でお互いにキーマンになりそうだと思う選手は

村山 祝太郎(吉田祝太郎=政3・慶應)ですかね。中学校のとき一緒にプレーしたことあります。うん、負けず嫌いだよね、祝太郎は。祝太郎は長身セッターなので高さのあるトスワークもできると思うし、スパイカーもやってたことがあって攻撃型セッターみたいな感じ。祝太郎がトスワークだったり、攻撃面、サーブ面、守備面でも全体的にリズムを作ってるんで、こっちからしたら祝太郎が良い状態でやられると嫌ですね。

小出 中村選手(中村駿介=早大3年・大塚)です。とにかく明るい方で面白いんですよ。ほんとに面白くて、僕なんか全然出てないじゃないですか。本当にもう丁寧に優しく面白く接してくれるというか。めっちゃサーブカット良い印象ない?

村山 高校のときサーブカット(サーブレシーブ)上手かった!高1のとき。

小出 リベロやってて、「狙うな」って言ってたもん、ずっと。サーブカット上手いから。オールラウンダーだよね。

――最後に早慶戦に向けて意気込みをお願いします

村山「早稲田らしいバレーをする」
小出「勝ちたい」

小出 まあとにかく勝ちたいですね(笑)。

村山 勝ちたいのはこっちもだよ!

小出 5年くらいたぶんずっと勝っていなくて。僕が入学する前も毎回試合で負ける相手が早稲田みたいな、(トーナメント戦で)早稲田と当たって終わる、みたいなことがあったらしくて。みんなやっぱ早稲田にそろそろ勝ちたいって言ってるので、勝ちたいです。

村山 早稲田らしいバレーをします。早稲田はやっぱり粘りがあるチーム。慶應に粘り負けしないで、早稲田の良さであるサーブで攻めてブロックでタッチ取って、そこから粘ってラリーをもぎ取るっていうのが早稲田のバレーだと思うので、その早稲田のバレーをしっかりして、慶應を倒します。

――ありがとうございました!

(取材:早稲田スポーツ新聞会 萩原怜那/慶應スポーツ新聞会 藤澤薫)

★第83回早慶バレーボール定期戦は、2019年6月9日(日)に早稲田アリーナにて開催されます。

◇プロフィール◇

村山豪 (むらやま・ごう)

1998年7月30日生まれ/早稲田大学スポーツ科学部3年/駿台学園高/身長191センチ/最高到達点330センチ/MB/背番号7

小出捺暉(こいで・なつき)

1999年4月6日生まれ/慶應義塾大学環境情報学部2年/駿台学園高/身長183センチ/最高到達点326センチ/WS/背番号23

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