引退目前「吊り掛け式」の音を記録 箱根登山鉄道モハ1形

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モハ1形をカメラに収める会員=強羅駅

 7月に引退する箱根登山電車のモハ1形103号、107号を記録に残そうと、小田原鉄道歴史研究会は5日、この2両を借り切って記録会を行った。

 箱根登山鉄道によると、2両は1919年の開業時からの車両であるチキ1形を50年の小田急線乗り入れ時に改造したもの。動力はモーターを車軸と台車枠につり掛ける「吊(つ)り掛け駆動方式」で、大きな音がする。今回の引退で、同電車からは吊り掛け式の車両はなくなるという。

 同会の小室刀時朗(としろう)会長(63)は、この重いモーター音を「味わい深い」と好み、同鉄道に交渉し、予算を集めて臨時電車の運行を実現させた。

 この日、箱根湯本駅に集合した会員ら8人は臨時用の4番線ホームから車両に乗り込み、午前10時58分に出発した。車体を震わせるように大きくなるモーター音に小室会長は「乗車して聞くとまた違う」と興奮気味。会員らは運転席の後ろにカメラを設置したり、車内の細かい部品などを撮影したり、モーターの真上に当たる床にはマイクを取り付けたりして、記録に励んだ。

 約40分かけて終点の強羅駅に到着した小室会長は「ずっとワクワクしていた。これまで整備して運行し続けていた会社に感謝したい」と笑顔。今回記録した資料は今後、資料展などで公開する方針という。

 2両は7月19日にラストランを行う予定。現在は車両内で過去の雄姿をまとめた写真が展示されている。