国内最大級の物流施設誕生 利便性が最大の強み 東扇島

契約率100%で竣工式を迎えたマルチテナント型物流施設「ロジポート川崎ベイ」=川崎市川崎区東扇島

 川崎市川崎区東扇島に国内最大級のマルチテナント(複数企業入居)型物流施設「ロジポート川崎ベイ」が完成した。首都高速湾岸線の出入り口に近く、東京や横浜、羽田空港までの交通利便性の高さが最大の強み。使用する荷さばき場や倉庫の広さも多様なニーズに対応でき、すでに7社が入居してフル稼働している。

 ラサール不動産投資顧問会社、三菱地所、NIPPOの3社が共同で建設した。敷地面積は約13万4800平方メートル。5階建ての施設の延べ床面積は約29万6780平方メートルで、東京ドーム6.3個分の広さに相当する。JXTGエネルギーから土地を購入し、2017年に着工、今年5月31日に竣工(しゅんこう)した。

 120台以上のトラック待機所を設け、空き情報が一目で分かる電光掲示板も設置。従業員の通勤用駐車場も900台分を確保した。作業効率が下がらないようトイレは各フロアの両端と中央部に設け、休憩室や売店、シャワー室、コインランドリーなどの設備も充実させた。

 担当者の1人は「人手不足が深刻なトラック運転手ら働く人たちにとって使いやすい施設を目指した」と狙いを語った。

 物流施設は、首都高速湾岸線の東扇島出入り口まで約1.5キロの場所にあり、川崎港にも近い。20年には多摩川で隔てられている羽田空港と川崎臨海部を結ぶ連絡道路が完成し、23年には東扇島と市中心部をつなぐ臨港道路東扇島水江町線も開通予定だ。

 建設を手掛けた関係者は「東京に一番近い大型物流センターとなった。今後も交通の利便性の高い地域など物流需要に応えた施設の整備に取り組みたい」としている。

© 株式会社神奈川新聞社