カブスが剛腕リリーバー・キンブレルと複数年契約へ

レギュラーシーズン開幕後も契約が決まらず、フリーエージェント市場に残ったままとなっていた剛腕リリーバー、クレイグ・キンブレルの新天地がようやく決定した。日本時間6月6日、関係者がMLBネットワークのケン・ローゼンタールに伝えたところによると、キンブレルはカブスとの複数年契約に合意し、身体検査を待っている状況だという。カブスは絶対的守護神不在という弱点を、最高の形でカバーすることに成功した。

2019年のドラフトが終了し、ドラフト指名権の喪失・補償が発生しなくなったことにより、ようやく本格的に動き始めたキンブレルの市場だが、予想以上にスムーズな形で決着に辿り着いた。本来クローザーを務めるはずのブランドン・モローが右肘の故障で戦列を離れているカブスは、ペドロ・ストロップ、スティーブ・シーシェック、ブランドン・キンツラー、ブラッド・ブラック、カール・エドワーズJr.といったリリーバーたちを使い分けながらクローザー不在の状況を凌いできたが、そこにキンブレルという「柱」が加わることでブルペンの役割分担も明確になり、思わぬ相乗効果を生むことになるだろう。カブスの各選手もキンブレルの加入を歓迎しているようだ。

ローゼンタールによると、カブスとキンブレルの契約は3年4500万ドル前後の規模になるという。カブスはユーティリティのベン・ゾブリストが家庭の事情により5月上旬からチームを離れ、メジャーリーグの制限リストに登録されており、その期間中は年俸の支払いが発生しない。ゾブリストの離脱が長引けば長引くほど、カブスの年俸負担は減少することになるが、カブスはその浮いた資金を利用することでキンブレル獲得を実現させたようだ。

メジャーでの9シーズンで防御率1.91、333セーブという圧倒的な実績を残しているキンブレル。ブリュワーズと並んでナ・リーグ中部地区の首位に立っているカブスにとって、5年ぶりのポストシーズン進出に向けての「切り札」と呼ぶに相応しい男が、チームに加わることになった。

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