「六十餘洲」初の金賞 英の国際品評会 日本酒部門  今里酒造「その年の一番 目指したい」

金賞に選ばれた「六十餘洲 純米吟醸 山田錦」と表彰状を前にする今里専務=波佐見町

 長崎県東彼波佐見町宿郷の蔵元「今里酒造」(今里榮子社長)の清酒「六十餘洲」が、世界最大規模とされるワインの国際品評会「インターナショナルワインチャレンジ」(IWC)で最高ランクの「ゴールドメダル(金賞)」に選ばれた。今里酒造が金賞を獲得したのは初めて。
 IWCは毎年、英国ロンドンで開かれる「世界で最も影響力のあるワインコンテスト」。日本酒部門は2007年に設けられた。今年は4月5~8日にあり、日本酒部門では▽純米酒▽純米吟醸酒▽純米大吟醸酒-など九つのカテゴリーに432社1500銘柄が出品された。
 受賞したのは純米吟醸の部に出品した「六十餘洲 純米吟醸 山田錦」で、上位19銘柄の金賞にランクインした。上品な香りとうま味が特色という。純米酒の部でも「六十餘洲 純米酒 山田錦」が銅賞に選ばれた。
 今里酒造は毎年IWCに出品しているが、受賞は2016年に「純米吟醸」と「純米大吟醸」で銀賞を獲得して以来。今里拓専務は「酒の味は毎年のコメの質や気候などさまざまな要因に左右されるが、基本に忠実に、丁寧に仕事したことを世界で評価してもらえた」と喜んだ。
 金賞に選ばれた出品酒の中から、特に優れたものに「トロフィー」が与えられ、さらにその中の1本だけが最高賞の「チャンピオン・サケ」に輝く。今回は逃したさらなる“高み”について、今里専務は「これまで通り『六十餘洲』を親しんでくれる人に『おいしい』と言ってもらえることが第一。その年で一番おいしい酒をこれからも目指したい」と話した。

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