あのアニメのネットスラングの元ネタってなんなの?「選べ!」編

アニメにおいて選択を迫られたキャラクターや「選んで」「選べ」「選択しろ」など他のキャラクター相手に回答を求めるシーンで「選べ!」と書き込む人がいるが、これは2013年に放送されたアニメ 『俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している』が元ネタになっている。

同作では、脳内になぜか「選べ!」という脳内の言葉と共に、二択以上の選択肢が浮かび、いかなる場合でもどれかを選択しなければいけない「絶対選択肢」という能力を主人公の甘草奏が持っている。そのせいで、アニメの演出では、突然ストーリー進行をぶった切る形で、選択肢の画面が表示されるシーンが頻繁に挟みこまれることに。

もしかすると、そういった演出だけでは、この言葉がそれほどインパクトがあるものにならなかったかもしれない。この脳内選択肢が出てくる際に「選べ!」と言っている人物が本来なら悪役の親玉や重要な位置にいるナイスミドルなキャラを演じることが多い、声優の中田譲治だったことが強い印象を与えることになった。かなり耳に残る言い方だったのだ。

また、同作の監督は稲垣隆行氏だったこともかなり重要だろう。同監督は、『ジュエルペット サンシャイン』や『聖剣使いの禁呪詠唱』でも笑いを誘う変な演出をしていたことで現在では知られており、同作でも、脳内選択肢を選択した後の主人公の奇行がより際立つ演出になっていた。

アニメはもちろん創作物全体にいえることかもしれないが、主人公や主要キャラクターたちは選択を迫られるシーンというのは非常に多い。その影響もあり「選べ!」という言葉は非常に使い勝手がよく、特に同作の後、2014年に放送された『デート・ア・ライブII』では、脳内選択肢ではないが、ノベルゲームのような選択肢画面が頻繁に登場することになり「選べ!」とネットの実況掲示板や動画サイトに書き込む人が続出。いつしかそういったシーンに書き込むことが定着していった。(斎藤雅道)

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