キリシタン展示を再構成 奉行所ゾーン リニューアル 長崎歴文博

パネルを刷新し、展示設備の環境保持機能も強化したキリシタン関連コーナー=長崎市、長崎歴史文化博物館

 長崎市立山1丁目の長崎歴史文化博物館で、2階常設展示の長崎奉行所ゾーンがリニューアルした。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録を受け、禁教期の理解がより深まるよう、キリシタン関連の展示を再構成している。
 同ゾーンのリニューアルは初めて。同ゾーンには長崎奉行所関連コーナー、キリシタン関連コーナー、長崎の歴史を映像で紹介するシアターなどがあり、今回は長崎奉行所コーナーの配置換え、キリシタン関連コーナーのパネル刷新、展示設備の機能強化などを実施した。
 同館では2005年の開館以来、東京国立博物館から「長崎奉行所旧蔵のキリシタン関係遺品」の約80点を長期借用。そのうち54点は浦上のキリシタンから没収した「マリア観音像」や絵踏みに使われた「真鍮踏絵 キリスト像(ピエタ)」など国重要文化財で、年間を通じて公開してきた。今回、最新の環境保持機能を持つ展示ケースを導入。これらの貴重な資料の展示に活用する。
 県文化振興課の齋藤義朗学芸員は「キリシタン関係遺品を通年で見られるのは長崎だけ。新しく生まれ変わった展示室から、長崎のキリシタンの歴史と文化が普遍的価値を持つものであると世界に広く発信していきたい」と話している。

配置換えをして展示品が見やすくなった長崎奉行所関連コーナー

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