【美女の乗るクルマ】-scene:11- メルセデス・ベンツ Aクラス × 森脇亜紗紀

メルセデス・ベンツ Aクラス × 森脇亜紗紀

束の間の休息「東京タワー」周辺ドライブ・森脇亜紗紀 27歳 元保育士の1日

先日、5年間勤めてきた仕事を辞めた。

志半ばで投げ出してしまったことで、それまで仕事を丁寧に教えてくれた先輩や同僚たちに迷惑をかけることになってしまったのが心残りだ。

もちろん、自分なりに考え抜いて出した結論だったし、後悔はない。けれど、部屋に一人でいると自己嫌悪が頭をもたげてくるので、心機一転、今日は購入したばかりの愛車でドライブへ出かけることにした。

舞台は、私のお気に入りスポット、東京タワーだ───。

(この物語はフィクションです。)

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メルセデス・ベンツ Aクラス × 森脇亜紗紀
メルセデス・ベンツ Aクラス × 森脇亜紗紀

友人のタカシとは、あるカフェの前で待ち合わせしている。いつも自分の周囲にアンテナを光らせている彼は、早くも私の赤いAクラスを見つけたようだ。周囲の視線など気にすることもなく、両手をあげて大きく振ってきた。

タカシは、元同僚で同期だった。とにかくよくしゃべる奴で、私のそれまでの人生で彼ほどやかましい人はいなかった。職場に着任して1日目、同期だと紹介された彼は、大きな声で「よろしくぅ!」と言うなり力強く握手をしてきたものだ。さらに彼は大柄で背筋が通っていて、その時点では繊細さのかけらも感じられなかった。

私たちの職場は幼稚園だった。幼児の相手をするこの職場で、果たしてこのような同僚とうまくやっていけるかどうか心配だったが、すべては杞憂に終わった。タカシは、よくしゃべるだけじゃなく、いつだって周囲に配慮して行動する。一週間もしないうちに、「この人となら、保育士を続けられそうだ」と考えを改めたものだ。

「俺にも運転させてよ」。Aクラスに近づくなり、タカシはズケズケと要望してきた。こういう遠慮のないところも相変わらずである。そういえば、Aクラスはタカシに似ている。この新型Aクラスもよくしゃべるのだ。なんとかシステム(注:インフォテインメントシステム「MBUX」)っていうのが付いていて、私の声にクルマが反応して、会話をしてくれる。そう、CMでやってる「ハーイ、メルセデス」ってやつだ。

早速、タカシもAクラスに話しかけている。

メルセデス・ベンツ Aクラス × 森脇亜紗紀

タカシ:「ハーイ、ベンツ!」

Aクラス:「……」

亜紗紀:「ベンツじゃダメだよ。メルセデスって言ってみて」

タカシ:「えーなんでだよー。メルセデス・ベンツだろう!」

亜紗紀:「ダメなものはダメなの」

タカシ:「ちぇっ! ……はーい、メルセデ……」

Aクラス:「ドウゾオハナシクダサイ」

タカシ:「わ! 本当に喋った! 嘘じゃなかったんだ!」

私もはじめはすごく驚いた。エアコンもオーディオもカーナビも話すだけで設定できるので、スイッチなどに触れることがほとんどなくなった。「何か食べたい」ってつぶやけば、近くのレストランをナビで表示してくれるし、「暑い」と言えば冷房をつけてくれる。

タカシ:「海行きたいなぁ!」

Aクラス:「チカクノウミハコチラデス」

タカシ:「あ、水着持ってきてないからやっぱやーめた。けど、たくさん調べてくれてありがとう!」

Aクラス:「ドウイタシマシテ」

私が止めなければ、いつまでも会話を続けているタカシとAクラス。どうやら、おしゃべり同士、気が合ったようだ。

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無理なく、さりげなく、自分を主張している感じ

メルセデス・ベンツ Aクラス × 森脇亜紗紀

東京タワーは、東京の中で私の最も好きな場所だ。

愛知県の片田舎から出てきた私にとって、ここは東京の象徴であった。いまでこそ、東京人にとってそれほど興味深い場所ではないことを知っているし、もっと高くて新しい魅力に溢れた東京スカイツリーがあることも知っている。それでも、確実に、東京タワーが私の人生に大きな影響を与えたことに変わりはない。

そういう意味では、メルセデス・ベンツも似ている。

地元ではそんなに多くない「ベンツ」は珍しかったし、東京ではスリーポインテッド・スターをつけたピカピカの車両を数多く見過ぎて頭がクラクラした。東京に慣れてくると、「ベンツ」は輸入車のなかでもポピュラーな存在であること、すべてのモデルが高額なわけではないことも知った。

ただ、それでも同ブランドへの憧れの気持ちがしぼむことはなく、今もその思いに変化はない。いつの間にか、「ベンツ」から「メルセデス」へと呼び方が変わったくらいだろうか。

今回、Aクラスを選んだのもこういった思い入れからだ。メルセデス車のオーナーになることで、私にとって憧れの存在はとはなんだったのか、すこしは理解できるかもしれないと思ったのだ。もちろん、仕事を辞めるべきかどうか悩んでいた時期の心の葛藤とストレスは、この決断を後押ししてくれた。

初めて買ったメルセデス・ベンツは、シャキッとしたデザインで、これまで乗ってきたクルマとは段違いにアーバンコンシャスな雰囲気を持っていた。高級車然とした押し出しの強さみたいなものは薄く、私みたいな若い女が乗っていてもおかしくはない。

メルセデス・ベンツ Aクラス × 森脇亜紗紀

タカシ:「亜紗紀はさ、こういう雰囲気が好きだよな」

亜紗紀:「どういう雰囲気?」

タカシ:「ほら、東京タワーとベンツだよ」

やっぱりタカシはわかっている。

タカシ:「どっちも昔からあるメジャーな存在だけど、今はそれほど推しが強いわけじゃない。無理なく、さりげなく、自分を主張している感じ」

亜紗紀:「大きくは間違ってはいないかな」

タカシ:「けど、男の趣味はお世辞にも褒められたもんじゃなかったよな。いま思い出すと、男の俺からしてもダメンズばっかりだったと思うわ(笑)」

亜紗紀:「ひどーい(笑)」

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どちらの人生が幸福か、それはいつになっても答えがでないと思う

メルセデス・ベンツ Aクラス × 森脇亜紗紀

終始ステアリングを握っているタカシ。

彼は運動神経も優れているので、運転に関しても心配していない。それでも、運転を人に任せて、ただ助手席に座っていると、昨今の交通事故問題のことを考えてしまう。

近年の保育業界にはいろいろな問題がある。賃金が安いこと、人手が足りないこと、モンスターペアレンツの存在……どれも私が辞めたことの直接的な問題ではないが、間接的にはつながっていた。

ただ、私を辞職に駆り立てたのは、これらよりもっと大きなこと。子どもの命を預かっているという大切なこと。仕事に慣れてきて、社会との接点が増えてくるに従い、そういうことが理解できるようになった。

Aクラスは最新の安全運転支援システムを搭載しているという。幸いなことに、まだ私は走行中、クルマが緊急自動ブレーキを踏んでくれるような場面に出会ったことはない。それでも、日頃の安心感は段違いだ。幼児がらみの不幸な事故のニュースを見るたびに、もっと安全運転支援システムが発達して、より多くのクルマがそれらを装備できる世の中になったらいいと考えている。

ドライブの途中、小さな公園で休憩する。

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公園では、幼稚園での仕事のことを思い出す。子どもは大自然の中で育てれば、元気で純粋な子に育つというわけではない。このような都会にある小さな公園で育った子だって、元気な子も純粋な子もいた。

ヒエラルキーというものは比較することで形成されるが、優越感と劣等感は人の心のなかに自然に生まれるものだ。私自身は今、こうして東京の真ん中でメルセデスに乗って暮らしているが、田舎にいた頃と心根はなにひとつ変わっていないし、自分が都会に染まったとも思っていない。

幼稚園で仕事を続けるタカシと、仕事を辞めて新しい道を模索する私。どちらの人生が幸福か、それはいつになっても答えがでないと思う。

ただ、今は束の間の休息だと思い、また次の目標のために、計画を練っている。また困ったときはタカシに頼ってみよう。もちろんAクラスにだって。

車内に戻り、ルージュを塗り直す。

「おしっ!」と声をあげながら、両手で自分の両ほほを叩くと、おしゃべりなはずのタカシが、何も言わずに、いつも園児に向ける“タカシせんせースマイル”を私に向けてくれた。そう、疲れたらまた、彼とドライブにでかければいいのだ。

[Text:安藤 修也/Photo:小林 岳夫/Model:森脇 亜紗紀]

Bonus track

森脇 亜紗紀(Asaki Moriwaki)

メルセデス・ベンツ Aクラス × 森脇亜紗紀

1992年5月16日生まれ(27歳) 血液型:O型

出身地:愛知県

2019 ワイスピガール

2019 ニッポンスリッパ メージキャラクター

2016、2017 SuperGT「SUBARU BRZ GT GALS『BREEZE』」

2014、2015 SuperGT 「AUTOBACS RACING TEAM AGURI『ARTA GALS』」

東京オートサロン2014イメージガール A-class

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