Jリーグにやって来るかもしれない外国人選手12人(2019夏編)

冬と夏の恒例企画。今回も、この夏の移籍市場で「Jリーグへやって来るかもしれない外国籍選手」を紹介したい。

夏の補強のキーワードは「ピンポイント」かつ「即戦力」。予算に限りがある中で、いかにシーズン終盤を乗り切っていくのか。各クラブは前半戦でのウィークポイントを埋め、俗にいう「外れる」ことのない選手を補強してくることだろう。

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一方で、大物外国人選手の加入が多いのもこの時期。欧州主要リーグや中東リーグのシーズンが終わり、 契約切れの大物選手を狙った移籍劇も注目される。

昨年公開した「Jリーグにやって来るかもしれない外国籍選手11人(2018夏編)」ではレオ・ミネイロ(福岡)、ピーター・ウタカ(徳島)の“来J”を的中させた。

今回もやって来る選手はいるだろうか。選りすぐりの総勢12名。ぜひご覧ください。

マルクス・ベリ

Marcus Berg

国籍:スウェーデン
ポジション:FW
年齢:32歳
所属:アル・アインFC(UAE)

長年に渡りスウェーデン代表として活躍したベテランストライカー。

186cmの長身から繰り出されるヘディングとポストプレー、また老練な駆け引きからのシャープな一撃でこれまで多くのゴールを記録してきた。一昨シーズンから日本代表DF塩谷司(30)もプレーするUAE1部リーグの名門アル・アインFCに在籍。

アインでは移籍当初こそ得点を量産したものの、今シーズンは13試合連続ノーゴールに陥るなど終盤に大ブレーキ。チームと共に不甲斐ないシーズンを過ごした。

既にベリ本人は今シーズン限りでの退団を明言済み。現在は古巣のIFKヨーテボリの他、世界各国のクラブから照会があるとのこと。

UAEでは「落ち目の選手」とのレッテルを貼られてしまったが、Jリーグへ環境を変えればまだまだ活躍できるはず。サンフレッチェ広島に今季加入した元スウェーデン代表MFエミル・サロモンソン(30)に続くスウェーデン人Jリーガーの誕生なるか。

【Jに来るかも知れない度】★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★

サンティ・カソルラ

Santiago (Santi) Cazorla González

国籍:スペイン
ポジション:MF
年齢:34歳
所属:ビジャレアルCF(ESP)

両足から繰り出される正確無比のパスでゲームを組み立てる世界最高峰のプレーメーカー。

負傷や感染症などで一時期現役引退の危機に瀕したが、ビジャレアルへ移籍した近年は不死鳥の如く復活。全盛期さながらのプレーが冴え渡り、今月、実に4年振りにスペイン代表への復帰を果たした。

ビジャレアルとの契約は今シーズン限りであり、既にカソルラの元にはカタール、中国、日本、そしてアメリカのクラブがオファーを提示しているとのこと。中でもカタールのアル・サッドは先日現役引退した元スペイン代表MFチャビ氏(39)が自身の後継者として直々に指名している模様。

競合するクラブは多いが、ポゼッションサッカーを完成させるには極上のピース。Jリーグにおける昨今の「スペインブーム」に果たしてさらなるウェーブをもたらすのか、彼の選択に期待したい。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★

ヴェスリー・スナイデル

Wesley Sneijder

国籍:オランダ
ポジション:MF
年齢:34歳
所属:アル・ガラファ(QAT)

高精度のロングパスやゲームメイク能力を持ち、ピッチの中央に君臨するオランダ・サッカー界屈指の名MF。

クラブレベルではアヤックス、レアル・マドリー、インテル、ガラタサライなどの名門クラブで活躍。代表キャリアでは2010年W杯でディエゴ・フォルラン(元C大阪)、ダビド・ビジャ(神戸)、トーマス・ミュラー(バイエルン)らと共に得点王のタイトルを獲得し、オランダ代表の準優勝に貢献した。

昨シーズンからは活躍の場をアジアへ移し、カタール・スターズリーグのアル・ガラファへ加入。主将としてチームを率いたものの、リーグ戦8位と不本意な成績に終わった。

昨年11月の試合では主審から退場を命じられた際「これがカタールでの最後の試合だ!」と生放送中のピッチカメラに向かって激昂するシーンも。直後に自身のSNS上で謝罪を行ったが、カタールでの生活は馴染んでいないように見える。

今月クラブはフランス人指揮官クリスティアン・グルキュフ氏(64)を解任。現地ではクラブ上層部がスナイデルとの契約更新を渋っており、移籍先を探しているとの情報も。

ネームバリューは抜群であり、「お金を払ってでも観に行きたい選手」として今夏Jリーグのビッグクラブが獲得に乗り出す可能性がある。先日バイエルンを退団したFWアリエン・ロッベン(35)にもJリーグ入りの噂が飛び交っているが、ここでは敢えてスナイデルを推したい。

【Jに来るかも知れない度】★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★★

レオナルド

Leonardo Rodriguez Pereira

国籍:ブラジル
ポジション:MF
年齢:32歳
所属:アル・ジャジーラ・クラブ(UAE)

切れ味鋭いドリブル突破と右足からの正確なFKを武器にアジアの舞台で長らく活躍した攻撃的MF。

Kリーグの全北現代でACL制覇に貢献した後、UAEの名門アル・ジャジーラへ移籍。以降はサウジアラビア1部リーグの名門アル・ナスル・リヤドへローン移籍なども経験していた。

今シーズンはジャジーラで攻撃陣の核として24試合12ゴールと活躍したものの、クラブは4位となり優勝を逃した。

来シーズンは外国人選手の再編成の煽りを受け退団が確実視されているとのこと。今後は中東の有力クラブから獲得オファーが殺到しそうだが、全北時代のパフォーマンスを評価したJクラブが獲得レースに参戦してもおかしくはない。

加入すれば攻撃の質がガラリと変化するレベルの好タレントだ。

【Jに来るかも知れない度】★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★

アルベルト・ボティア

Alberto Tomás Botía Rabasco

国籍:スペイン
ポジション:DF
年齢:28歳
所属:アル・ヒラル(KSA)

188cmとフィジカルの強さを生かした情熱的なディフェンスが魅力の長身センターバック。

今シーズンはギリシャの名門オリンピアコスからサウジアラビア1部リーグのアル・ヒラルへ移籍。ポルトガル人指揮官ジョルジュ・ジェズス氏(64)の肝煎りで実現した移籍であったが、開幕から安定感を欠いたパフォーマンスを見せ徐々に出場機会が減少。ジェズス解任後は新たに加入したオーストラリア代表DFミロシュ・デゲネク(25)の後塵を拝している。

Jリーグ好き(というか神戸サポーター)が反応するであろう、FCバルセロナの出身。

ヒラルはボティアと2年契約を結んでいるが、おそらく来シーズンの登録メンバーには入らないと思われる。ローンで他クラブへ移籍する際は2017年に同様のケースで清水へ加入したブラジル人FWチアゴ・アウベス(26/現・全北現代)のようなJクラブへ移籍させる可能性もあるだろう。

守備陣の立て直しを図りたいJ1クラブにはうってつけの人材ではないだろうか。

【Jに来るかも知れない度】★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

ファビオ・フェレイラ

Fábio Miguel Lourenço Ferreira

国籍:ポルトガル
ポジション:FW
年齢:30歳
所属:フリー
※前所属 パース・グローリーFC(AUS)

ルイス・フィーゴやかつてのクリスティアーノ・ロナウドら、名ウィンガーを輩出してきたポルトガル産の右ウィンガー。

巧みなフェイントを用いたドリブル突破が最大の特長で、得点力もまずまず。そして“ポルトガル人ウィンガーあるある”のアウトサイドキックも漏れなく得意としている。 イングランドの名門チェルシーFCのアカデミー出身。

近年は活躍の場をオーストラリアやマレーシアに移していた。今年オーストラリアの市民権を取得したことから来季もオーストラリアでのプレーが有力視されるが、局面打開力に優れたウィンガーとしてJリーグでも需要はありそう。

市場価値的にJ2のクラブが好みそうな選手ではある。

【Jに来るかも知れない度】★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★

リヴァウジーニョ

Rivaldo Vítor Mosca Ferreira Júnior (Rivaldinho)

国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:24歳
所属:FCヴィトルル・コンスタンツァ(ROU)
※レフスキ・ソフィア(BUL)からローン移籍中

90年代後半から2000年代前半にかけてキャリアを謳歌した元ブラジル代表FWリヴァウド氏を父に持つサラブレッドストライカー。

利き足は右足ながら、父から授かった186cmの長身を生かしたスケールの大きなプレーが特徴。近年は東欧クラブを戦いの場としている。

今シーズンはルーマニア1部リーグのFCヴィトルル・コンスタンツァへローン移籍し、先月クラブ史上初の国内カップ制覇に貢献した。

FCヴィトルル・コンスタンツァには1年の買取オプションが存在しているものの、現在リヴァウジーニョの元には世界各国のクラブから獲得オファーが届いているとのこと。

本人は欧州の主要リーグ移籍を切望しているようだが、Jクラブが獲得レースに参戦する可能性は充分ありそう。今後の動向に注目したい。

【Jに来るかも知れない度】★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

ラファエル・ハットン

Rafael Rogerio da Silva (Rafael Ratão)

国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:23歳
所属:ŠKスロヴァン・ブラチスラヴァ(SVK)
※FCゾリャ・ルハーンシク(UKR)からローン移籍中

2015年の夏に新潟に加入するも、出場機会のないまま退団した快速ストライカー。

その後韓国やブラジルのクラブを経て、現在はスロバキア1部リーグの強豪ŠKスロヴァン・ブラチスラヴァでプレーしている。

スロヴァン・ブラチスラヴァとの契約は6月まで。ただローン元のFCゾリャ・ルハーンシクでもあまり出場機会が得られておらず、さらなるローンや完全移籍での放出もありえそう。

Jリーグでのプレー経験がないのはネックであるが、思わぬ掘り出し物選手としてJクラブが獲得に乗り出すかもしれない。

【Jに来るかも知れない度】★

【Jで活躍するかもしれない度】★★

エヴァンドロ

Evandro Silva do Nascimento

国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:31歳
所属:四川隆発(CHN)

2015年に大分、2016年に岐阜でプレーした186cmの長身ストライカー。ポスト役になるよりも、自ら突破を仕掛けていくタイプだ。

岐阜退団後は韓国の名門FCソウルに在籍。しかし結果を残せず、今シーズンは中国2部リーグの四川隆発へ移籍した。

ただ四川でも今シーズンは出場機会が少なく、夏にも放出される可能性がある。

独力でゴールをこじ開ける力はあるだけに、獲得に乗り出すJクラブも少なくなさそう。市場価値からするとJ1下位~J2辺りのクラブか。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★

ジョー・カレッティ

Joe Caletti

国籍:オーストラリア/日本
ポジション:MF
年齢:20歳
所属:フリー
※前所属 ブリスベン・ロアーFC(AUS)

162cmと小柄ながら視野が広く、展開力に優れたセントラルMF。

オーストラリア人の父親と日本人の母親を持ち、「加藤カレッティ丈」の登録名でも知られる。オーストラリア国内では世代随一と評価された逸材で、年代別代表では主将を務めていた。

ブリスベンとプロ契約を結んで以降は伸び悩み、今シーズンも12試合0ゴールと期待に応えられず、既に今季限りでのクラブ退団が発表されている。

この決定に彼の代理人は「現行のオーストラリアにおける若手育成プログラムには課題がある」と国内メディアを通して発言。来シーズンは海外でのプレーが有力な状況だ。

今年春にはJクラブ行きの噂もあったことも考慮すると、今夏はその動きが一層本格化しそうだ。

【Jに来るかも知れない度】★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★

ジャーン・モーゼル

Jean Diego Moser

国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:25歳
所属:元朗足球会(HKG)

2015年に金沢、2016年に栃木でプレーしたブラジル人ストライカー。

182cmとサイズがあり、エアバトルを含めたデュエルに絶対の自信を持つ。前線からのチェイシングも魅力のサポーター好みの選手だ。

金沢退団後はマルタリーグのクラブなどを経て、今シーズンから香港プレミアリーグの元朗足球会に加入。レギュラーとして17試合9ゴールと活躍し、現在は香港のビッグクラブへの移籍が噂されている。

ただ、条件次第ではJ2~J3のクラブが獲得に動くかもしれない。個人的にもう一度Jリーグで見たい選手である。

【Jに来るかも知れない度】★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★

カン・スイル

Kang Soo-il/강수일

国籍:韓国
ポジション:FW
年齢:31歳
所属:フリー
※前所属 ラチャブリーFC(THA)

アメリカ人の父親と韓国人の母親との間に生まれた184cmの大型ストライカー。

大きなストライドを生かしたドリブルと高い決定力が武器。かつてドーピング疑惑や飲酒運転事件で韓国サッカー界を騒がせたが、群馬へ加入した2017年に10ゴールを挙げ復調。翌年にはタイ1部リーグのラチャブリーFCへ移籍し、1年目ながら13ゴールと活躍した。

ところが今シーズンは元コートジボワール代表FWヤニック・ボリ(31/元浦和DFバシール・ボリ氏の甥)ら新加入選手に押され、ゴール数が減少。既にクラブは浦項スティーラーズから韓国人MFユ・ジュンス(31)の獲得を決めており、彼に押し出される形での退団が確実な状況となっている。

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前述のスキャンダルから韓国クラブ復帰はまだ難しいとなると、移籍先として考えられるのはJリーグか。ゴールセンスは錆びついておらず、J2~J3ではゴールラッシュも期待できるタレントだ。

【Jに来るかも知れない度】★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

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