入所者誤嚥事故、熊本県が是正勧告 八代市の老健施設

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 熊本県八代市の介護老人保健施設「アメニティゆうりん」で常勤医師の不在期間に亡くなった80代の女性入所者が死亡当日にゼリーをのどに詰まらせていた事故で、県は7日、家族に事故を報告していないなど当時の対応に問題があるとして、同施設に対して運営基準違反で是正勧告を出した。

 誤嚥[ごえん]事故と死因の因果関係は確認されていないが、県は施設に対し、家族などへ速やかに報告するとともに、要求があれば損害賠償するよう求めている。過去5年間にほかに事故がなかったかを調べ、6月28日までに報告することも求めた。

 同施設では常勤医師がいない2018年2~5月に、この女性を含む入所者11人が死亡。県条例に基づく常勤医師の配置基準などを満たしていなかったとして、これまで計3回の是正勧告を出していた。

 女性は昨年4月に死亡。会見した県高齢者支援課によると、医師不在が入所者死亡につながった事実は確認していないが、職員の聴取などから、「記録に不自然な点があり、ゼリーを詰まらせた事故があったことを認定した」という。施設を運営する法人の林邦雄理事長(医師)も事故を認めたが、死因は「老衰」と診断した。

 県は会見で、終末期医療が必要な入所者に対して、家族に相談なく林理事長の指示で点滴による水分補給を減らしていた事実を確認したことも説明。同課は痛みや苦しみを取る一般的な医療行為としたが、「家族にはみとりの同意は取っていたが、具体的な計画を示していない点には疑問がある」とした。(松本敦)