居場所づくりへ大井町のママ奔走 ランチ持参「遊ぶ会」も

遊ぶ会を楽しむ参加者=西大井自治会館

 幼い子どもを持つ親が休日に集まれる施設が少ないとされる神奈川県西部の大井町で、居場所づくりに奔走しているママさんグループがいる。自治会館などで月に1回程度、ランチを持ち寄っての「遊ぶ会」を開催する一方で、町には保健福祉センターの休日開放や役場窓口近くにキッズスペースの設置を求めるなど、多方面で精力的に活動している。

 「子育てサポートおうママの会」代表の大澤祥子さん(39)によると、町内には土・日曜などの休日に子どもと遊ぶ所がないという。広場はあっても遊具やトイレなどがなく、長時間はいられないため、「多くの人は休みの日は町外に出ている。車がないと不便」と訴える。

 そういった問題解決のため、同会は昨年5月に発足。まず休日に閉館している町保健福祉センター(大井町金子)の開放を求めることにした。署名活動を展開し、同9月町議会に約300人分の署名とともに陳情書を提出した。

 陳情は採択されたが現状は変わっていない。今年3月の町議会でも議題となったが、町は、休日開放には事務スペースの防犯・防火対策などが必要で課題がある、と答えるにとどめた。

 並行して自分たちで居場所づくりも進めている。昨年11月から月1回程度、公園や自治会館などでランチ持参の「遊ぶ会」を開催。参加人数は毎回まちまちだが、子ども同士、親同士の交流の場となっている。

 4月に西大井自治会館(同町西大井)で開かれた遊ぶ会に長男(4)と参加した町内の女性(43)は「土・日曜でも夫がいなかったりすることが多いので、こういう場があると助かる」と喜ぶ。

 最近では町内の子育て支援団体などが協力して“居場所”を運営する動きも出てきている。大澤さんは「本当はこうした場が町内にいくつかあっていい。空き家を活用するとか、町にも考えてもらいたい」と話している。

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