全日本F3選手権第6戦は6月8日、岡山県の岡山国際サーキットで25周の決勝レースが行われ、サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)が今季5勝目を飾った。2位には片山義章(YTB by Carlin)が入り、自身初の表彰台を獲得。終盤にファステストラップを奪った宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM’S F317)が3位となった。
今シーズンの第3大会となる今回は、F3の単独開催で3レースが予定されている。8日午前に行われた予選では「風が強くてうまくまとめられないラップもあったよ」と話すフェネストラズが、それでも2番手以下に約0.3秒差をつけてポールポジションを獲得。岡山をホームコースとする片山が自己最高グリッドの2番手に続き、3位には宮田がつけた。
穏やかな天候のもとで切られたスタートは、「レッドシグナルが消えるまでに結構時間がかかった」という声も。こらえきれなかったかのように、5番手スタートのエナム・アーメド(B-Max Racing with motopark F3)が飛び出し、フェネストラズ、片山、宮田と続いた。
ただ2周目にはアーメドがジャンプスタートだったとしてドライブスルーペナルティが出され、3周目にピットイン。これで順位が整理され、トップに立ったフェネストラズは後続を引き離していった。片山と宮田は1秒を切る差で熾烈な2番手争いを展開するが、その背後でもお互いのチームメイトであるシャルル・ミレッシ(YTB by Carlin)と、今回全日本F3復帰となった阪口晴南(カローラ中京 Kuo TOM’S F317)が4番手争いを演じていた。
後続が1分24秒台の中盤から後半のタイムで周回するなか、フェネストラズはひとり1分23秒台を連発。9周目には1分23秒468で暫定のファステストラップをたたき出した。これに呼応するように、11周目に宮田が1分23秒567とフェネストラズのタイムに迫ると、18周目には23秒449でファステストラップを奪取。今度は20周目にフェネストラズが1分23秒406で奪い返すという、2台でのファステストラップ争いに注目が集まった。
そんなレースのなか、トップチェッカーはフェネストラズが受けて今季5勝目をマークしたが、最終的には24周目に宮田が記録した1分23秒295がこのレースでの最速タイムに。ファステストラップの1ポイントは宮田がもぎとり、フェネストラズのフルマーク阻止に成功した。
その宮田を抑えきった片山はF3での自己最高リザルトとなる2位。終盤まで接近戦を添加していた4位争いもミレッシが阪口をおさえきり、YTB by Carlinはホームコースで2台そろってポイント獲得となった。マスタークラスでは好スタートで山口大陸(タイロクレーシング28号)をかわしたDRAGON(TEAM DRAGON F3)が25周のロングレースでポジションを守り切り、うれしい今シーズン初優勝を飾った。
全日本F3選手権第6戦岡山国際サーキット 決勝結果
Pos. No. MC Driver Car Name Car Laps Grid Time
1 11
サッシャ・フェネストラズ B-Max Racing with motopark F3 F314/スピース 25 1 1’22.270
2 8
片山義章 YTB by Carlin F315/スピース 25 2 1’22.564
3 36
宮田莉朋 カローラ中京 Kuo TOM’S F317 F317/トヨタ-トムス 25 3 1’22.652
4 7
シャルル・ミレッシ YTB by Carlin F317/スピース 25 4 1’22.697
5 37
阪口晴南 カローラ中京 Kuo TOM’S F317 F317/トヨタ-トムス 25 6 1’22.852
6 2
大湯都史樹 TODA FIGHTEX F319/トダ 25 8 1’23.295
7 35
河野駿佑 RS FINE K&N F318 F318/HWA 25 10 1’23.573
8 51
アメヤ・ベイディアナサン B-Max Racing with motopark F3 F315/スピース 25 9 1’23.446
9 12
大津弘樹 ThreeBond F318 F318/スリーボンド東名 25 7 1’23.220
10 65
エナム・アーメド B-Max Racing with motopark F3 F312/スピース 25 5 1’22.707
11 30 M DRAGON TEAM DRAGON F3 F314/スピース 25 12 1’23.946
12 28 M 山口大陸 タイロクレーシング28号 F315/スピース 25 11 1’23.760
13 13
三浦愛 ThreeBond F314 F314/スリーボンド東名 25 13 1’24.438
14 5 M 久保田克昭 Planex・スマカメ F3 F315/トヨタ-トムス 24 14 1’25.392
ファステストラップ:宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM’S F317) 1’23.295 24/25
ペナルティ:ゼッケンNo.65、5は、2019全日本F3統一規則 第31条 7.(スタート手順違反)により、ドライビングスルーペナルティを科した。