”美しい”が最も似合うデニス・ベルカンプが天才と呼ばれる理由に迫る!

2005-2006シーズンをもって、現役生活に幕を下ろした天才デニス・ベルカンプ。トラップ・パス・シュート技術は一級品。数多くのスーパープレーを魅せてくれました。この記事では、天才ベルカンプの戦歴やスーパープレーをまとめています。ベルカンプファン必見の内容ですよ。

デニス・ベルカンプ。オランダ代表やアヤックス、そしてアーセナルで活躍した天才FW。1969年5月10日にアムステルダムで生まれた天才は、当時マンチェスターユナイテッドで大活躍していたFWデニス・ローにあやかって”デニス”と付けられたことは皆さんご存知だろう。

今回この記事では、天才デニス・ベルカンプの活躍、プレースタイル、天才と呼ばれるプレー集などデニス・ベルカンプの魅力を語っていきたい。

アイスマンの愛称で慕われた”天才デニス・ベルカンプ”の戦歴

「アイスマン」(映画トップガンのアイスマン役を演じていた俳優ヴァル・キルマーに似ていたため)の愛称でファン・サポーターから慕われ、アヤックス、インテル、アーセナル、オランダ代表で活躍した天才デニス・ベルカンプ。まずは、在籍したチームでの活躍を振り返ります。

アヤックス編

名FWデニスの名を受けたデニス・ベルカンプ。名前の通り、小さい頃から大活躍した天才はわずか12歳でオランダの名門アヤックスに入団。5年間アヤックスの育成プログラムを受けたのち、当時トップチームを指揮していたヨハン・クライフに才能を見出され17歳でトップチームデビュー。アヤックスでは7シーズン在籍し、

・アヤックス

エールディヴィジ 1990

オランダカップ 1987、1993

UEFAカップ 1992

UEFAカップウィナーズカップ 1987

出典: ja.wikipedia.org

計5つのタイトルを獲得。さらに個人タイトルとなるリーグ得点王も1990~1991、1991-1992、1992-1993、と3シーズン連続で獲得。さらにはオランダ最優秀選手も1992、1993と2シーズン連続で獲得。個人タイトル、チームタイトルを総なめにした天才デニス・ベルカンプの名が世に知れ渡りました。

インテル・ミラノ編

1992-1993シーズン終了後、オランダカップ優勝を置き土産にイタリアの名門インテル・ミラノへ移籍を果たしたベルカンプ。アヤックスでの活躍からインテルを優勝に導く存在として期待された天才でしたが、失意の移籍となってしまいます。

在籍した2シーズンでリーグ戦で挙げたゴールはわずかに”11”。1993-1994シーズンにUEFAカップ優勝の立役者となりますが、リーグ戦では全くもって活躍できず。天才のイタリア挑戦は残念な形で幕を降ろすこととなってしまいました。

アーセナル編

イタリアでの失意の2シーズンを経て、イングランドプレミアリーグの名門アーセナルへ移籍。当時のアーセナルはヴェンゲル監督が就任し、国外の選手を積極的に補強を遂行中でした。ヴェンゲルの元で自身の再起を賭けて挑んだプレミアリーグ。天才はヴェンゲル監督、そしてアーセナルにとってなくてはならない存在までに成長しました。

守備的なサッカーから攻撃的なサッカーに変化したアーセナルの中で足元の技術、パスのセンスが群を抜いていたベルカンプ。2003-2004シーズンにはパトリック・ヴィエラやティエリ・アンリ、ロベール・ピレスなどと共にプレミアリーグ無敗優勝を達成。「インビンシブル(無敵のチーム)」の異名を持ったチームの中心的な存在でした。

アーセナルでは、

・アーセナル

プレミアリーグ 1998、2002、2004

FAカップ 1998、2002、2003、2005

コミュニティーシールド 1998、1999、2002、2004

出典: ja.wikipedia.org

プレミアリーグ優勝3回、FAカップ4回、コミュニティーシールドで4回と計11個ものタイトルを獲得。インテルでの失意の2シーズンから一転、アーセナルでは一際輝き天才が復活。また、アーセナルでの成績を称え、新しく建設されたエミレーツスタジアムのこけら落としとして引退試合が開催されました。

オランダ代表編

オランダ代表としては、79試合39ゴールを挙げたベルカンプ。1994年に開催されたアメリカワールドカップ、1998年に開催されたフランスワールドカップに出場。アメリカ大会ではベスト8、フランス大会ではベスト4に進出。

クラブチームとは違い、代表では世界一を獲得できなかったベルカンプ。しかし持ち前のテクニックを活かしチームの勝利に幾度となく貢献。天才のプレーは多くのオランダサポーターの脳裏に焼き付いています。

デニス・ベルカンプが天才と呼ばれる理由とは!?

天才ベルカンプのプレースタイルは足元でボールを受けてゲームを作るセカンドトップタイプ。裏のスペースへ走り多くのチャンスを作るよりも、ベルカンプは足元でのプレーを好むプレイヤーでした。もちろん運動量が少ないプレースタイルの選手はその分、技術を見せなければいけません。しかし、”天才”と言われるが通り幾度となくスーパープレーを見せてくれました。

中でもベルカンプの代名詞は「正確無比なトラップ・パス・シュート技術」。どんなボールでも正確にトラップし、巧みな身体の使い方で相手にボールを渡すことはありません。また、ボールキープから相手の嫌がる所へ出すスルーパス、そしてトラップからシュートまでの正確さ。FWとしてこれだけチャンスを作れるベルカンプが”天才”と呼ばれる理由がわかります。

デニス・ベルカンプが見せた天才的なトラップからのゴールの数々

天才デニス・ベルカンプが決めた天才的なトラップからのゴールをご紹介します!この動画を見たらあなたはすぐに「ベルカンプファン」になること間違いなしですね!(笑)

2001-2002シーズン プレミアリーグvsニューカッスル戦(2002年3月2日)

ベルカンプと言えば2002年にニューカッスル戦で決めたゴールでしょう。ピレスのパスを受けたベルカンプはトラップで反転しながら相手DFをかわしてのこのゴール。17年経った今でもプレミアリーグベストゴール”1位”に君臨しています。

1998年フランスワールドカップ 準々決勝vsアルゼンチン戦

1998年フランスワールドカップ準々決勝 vsアルゼンチン戦で決めたこのゴール。浮き玉を見事なトラップで処理。そして相手DFをかわして冷静にゴールへ流し込みました。

浮き玉を右足一つで簡単にトラップしてみせるベルカンプ。あのトラップがなければこのゴールは生まれていません。この動画を見れば天才の技術が一瞬でわかりますね。

ベルカンプのその他の美しいゴールはこちらから

ベルカンプのスーパープレーが凝縮されたこの動画。トラップ、パス、シュート、ドリブル・・・。どれをとっても一級品です。個人的には、足が速くない人ほど「天才 ベルカンプのプレー集」を見るべきだと思っています。

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天才デニス・ベルカンプが苦手なものとは!?

ベルカンプが唯一苦手なものとはなんと「飛行機」。ベルカンプが飛行機嫌いになった理由は定かではありません。しかし、何らかのトラウマを過去に背負ったことは確実で「飛行機恐怖症」という移動が大半を占めるスポーツ選手にとっては致命傷でした。

チームが飛行機移動する中、ベルカンプは陸路や海路で移動していたことも有名な話。天才と呼ばれるベルカンプでも、オランダでは「Non-flying Dutchman」(飛ばないオランダ人)というあまり嬉しくない愛称で呼ばれていたりもしました。(愛称の由来は、クライフの”空飛ぶオランダ人”をもじってできたもの)

天才ベルカンプでも苦手なものはあるんですね・・・(笑)

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まとめ

天才デニス・ベルカンプはいかがだったでしょうか!?セカンドトップで常に違いを作り多くのチャンス、そしてゴールを生み出したベルカンプ。”天才”と呼ばれる理由も納得できますね。ベルカンプが大事にしてきたことは「基本に忠実」ということ。天才の代名詞でもある「トラップ・パス・シュート技術」。基本のプレーからスーパープレーが生まれている事実は、これからサッカー選手を目指す子供達にも良いお手本となるでしょう。

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