駅前公園と本明川河川敷 一体整備 市民提案基に事業化へ 諫早 にぎわい生み出す拠点に

駅前公園と本明川の水辺を一体的に整備する計画案(国土交通省長崎河川国道事務所諫早出張所提供)

 2022年度の九州新幹線長崎ルートの暫定開業を見据え、諫早市永昌東町の駅前公園(通称・三角公園)と隣接する本明川の水辺を一体的に整備する計画が動きだした。公園と河川敷との間にスロープやステップを設け、水辺に親しむ空間を創出。川沿いに市中心部まで観光客を導く入り口として、川と町ににぎわいを生み出す拠点にする。
 計画は、周辺住民でつくる「本明川オピニオン懇談会」(中原信行代表)が2016年度から検討、市民の声を生かした整備計画案をまとめた。これを受け、河川管理者の国土交通省や公園管理者の市、住民で組織する「本明川河川利用懇談会」が2月、計画案に合意。行政主導で策定した通常の事業計画と異なり、市民提案を基に行政が予算確保などの事業化を進めるのも特徴だ。
 公園と河川敷を合わせた敷地は約1700平方メートル。現在、分断された形の公園と河川敷の間を緩やかな斜面にし、河川敷に向かうスロープやステップなどで水辺空間を一体化。既に整備されている近くの遊歩道で、市中心部へ歩くルートの拠点にもなる。中原代表は「カフェやコンサート、若者や子どもの遊び場など、人が集まる水辺のスポットとなることを期待している」と話した。オピニオン懇談会は川沿いの名所などを紹介する観光マップ作製も検討している。
 国交省は11年、河川法の河川敷地占用許可制度の規定を改正。地域の合意があり、防災や治水に支障がないと判断した場合、民間事業者の使用を認める規制緩和(河川空間のオープン化)を進めている。本明川沿いでも近年、事業者ではないが、市民がバーベキューなどを楽しむ姿が目立つ。

一体的な整備計画が動きだした駅前公園と本明川河川敷=諫早市

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