【MLB】“W手術”から復帰のドジャース・シーガーが独白「長く辛い一年だったけど…」

ドジャースのコーリー・シーガー【写真:Getty Images】

Full-Countが単独インタビュー、手術は「長い目で見るといいこと」

 昨年、右肘のトミー・ジョン手術と股関節の手術を受け、今シーズンから戦列に復帰したドジャースのコーリー・シーガー内野手(25)がFull-Countの単独インタビューに応じた。2015年シーズン最終盤にメジャーデビューし、翌16年には新人王を獲得。オールースター出場、シルバースラッガー賞獲得と一気にスターダムに駆け上ったシーガーは、ダイナミックなプレーぶりと謙虚な性格でファンにも人気を誇る。

――今年は母の日(5月12日)に満塁ホームランで背番号と同じ5打点。素晴らしいプレゼントになったが?

「ホームランはいつも特別だけど母の日は特に感謝の気持ちが伝わったのなら嬉しいね」

――コーリーの謙虚さは家族、特に両親からと言っていたが?

「僕の親には『いつも謙虚にしなさい!』って育てられたから全ては僕の親のおかげだよ。5打点は自信に繋がるよ。ずっとプレーできてなくて、忘れていたことや学び直さないといけないことがとっても多かった。だからちょっと辛い時もあった分、打つことができて本当によかったと思っているよ」

――ちょうど1年前にトミー・ジョン手術を受けることになったがその時はどのように?

「投げるのも痛くて、あの手術は絶対に必要なのはわかっていたよ。でもやっぱりあれだけ長いことプレーできないのもきつかった。今は痛みも無くなって、試合中も痛みではなくプレーに集中できることは嬉しいよ。だから長く辛い一年だったけど、長い目で見るといいことだと思っているんだ」

――シーズン中でみんなは溌剌とプレーしている中でどのように自分の気持ちを整えていたのか?

「辛かったよ。できるだけみんなの邪魔にならないようにって思ってたし、ちょっと変だった。でも僕もワールドシリーズに出て経験したこともあるから気持ちがわかる分、みんなの邪魔にならないように気をつけていた。サポートしたいって気持ちも大きかったけど、それでもグッと我慢したことも多かったんだ」

――手術の後、初めてボールを投げたり打ったりできた時は?

「やっぱり快感だったよ(笑)。楽しい気持ちもあるけどそれ以上に痛みがないことが一番嬉しかった。ずっとその痛みに慣れようとしていたから、もうその痛みを心配せずにプレーできて嬉しい気持ちでいっぱいだった」

夢は「やっぱりワールドシリーズを勝つことかな」

――2つの手術を受けてそれを同時に回復させていく苦労は大変なことだったと思うが?

「腕と腰両方の手術は確かに辛かった。ひとつ終わったと思ったらまたやり直さないといけないから精神的にも辛かった。長く辛い一年だったけど、その壁を乗り越えられてよかったと思っているよ」

――特にワールドシリーズを見るだけというのはどのような感じだったのか?

「はたから見ているとみんなの波に乗れないかなって思っていたんだけど、逆に客観的にみんなの動き方だったりとかを見ることができたよ。小さいことかもしれないけど、これからのプレーにきっと繋がるんじゃあないかなと思ってる」

――コーリーといえば打撃に関してもストイックなものを持っていると聞くが?

「特別なものはないかな(笑)。自分の打ちやすいところを見つけてそれを繰り返し見つけることができるかどうかだね。だから自分でどういうボールに対しては振って、どのボールは見逃すか、そしていろんな球速も打てるように、そして慣れるように考えている」

――そのために心がけていることは?

「練習を繰り返すことが必要だね。何回も繰り返すことで体が覚えてくれるからね」

――コーリーのデビューした頃から野球が大きく変わってきたとも言われているが?

「そんなに変わっていないと思う。この球団ではいつも打率だったりを見てきたし、分析することは多かったからね。だからもう慣れているかな」

――残りのシーズンに向けては?

「残りまだ時間も試合もたくさんあるから健康でいること、そして毎日ちゃんとプレーできるように体を鍛えておくことは重要だよ。そして自分でできる限りのことをすることも必要だね。シーズンはいい方向に向かっていると思うよ。健康でいることが一番の目標だからそれが今はできて嬉しい」

――夢は?

「やっぱりワールドシリーズを勝つことかな。負けたからって悪い年だったわけではないよ。確かに2年連続出場して勝てないのには落ち込むこともあったけれど、その目標を達成することに向かって頑張りたい」(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

© 株式会社Creative2