平和宣言に「被爆者の詩」 長崎市が起草委に原案

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平和祈念像

 長崎市は8日、8月9日の平和祈念式典で田上富久市長が読み上げる平和宣言文の第2回起草委員会を市内で開き、原案を提示した。冒頭部分には、長崎で被爆した女性がつづった詩を引用。原爆投下直後の惨状や、最愛の家族を失った悲しみ、戦争や核を二度と繰り返してはいけないという思いを表現した内容で、市によると、長崎の平和宣言文に被爆者の詩を引用するのは異例という。
 当時、爆心地近くに自宅があり、現在90代の女性が、かつてつづった詩。引用には被爆者の体験、言葉を通じて核の非人道性などを多くの人に分かりやすく伝える狙いがあり、詩を紹介した上で、市民社会の力が過去、世界中の多くの国を動かした事例を取り上げている。委員からは「被爆地からのメッセージとしてインパクトがある」などと評価する意見が上がった。
 一方、原案は、核兵器禁止条約に署名しない方針を取り続けている日本政府に対して、条約を支える立場になるよう促しているが、委員からは表現や文言が「弱い」との指摘が相次いだ。核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委の朝長万左男委員長(76)は「被爆国の責任として条約に批准すべき、と訴えてほしい」と強い文言を求めた。憲法9条の堅持を盛り込むよう求める意見も出た。
 起草委は市長を委員長に、被爆者や有識者ら15人で構成。市は今回の意見を踏まえ、7月6日の最終会合で修正案を提示、文案をまとめる。