エルニーニョ現象 今後も続く見通し

エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率(気象庁HPより)

 気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表した。昨秋に発生したエルニーニョ現象が続いているとみられ、夏にかけてもエルニーニョ現象が続く可能性が高い。

海面水温 基準値より高く エルニーニョ現象続く

エルニーニョ/ラニーニャ現象の経過と予測(気象庁HPより)

 5月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.6℃で基準値より高く、海洋と大気の状態からエルニーニョ現象が続いているとみられる。太平洋赤道域の中部から東部にかけて見られる海洋表層の暖水は、東部の海面水温が平年より高い状態を今後しばらくの間は維持すると考えられる。

 エルニーニョ予測モデルは、今後秋にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が、基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測しているが、不確実性が大きい。今後、夏はエルニーニョ現象が続く可能性が高い。秋にかけては平常の状態になる可能性もあるが、エルニーニョ現象が続く可能性の方がより高いとみられる。

エルニーニョ現象とは

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。

 ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。エルニーニョ発生時の夏(6~8月)の天候の特徴として、平均気温は西日本で低い傾向があり、北日本で平年並みか低い傾向があげられる。また、降水量は西日本の日本海側で多い傾向がみられる。

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