【横浜市営地下鉄脱線】11日は始発から全線で運行 

運行再開後の湘南台駅のホーム。2番線には脱線事故を起こした車両が止まる=10日午前10時45分ごろ

 横浜市営地下鉄ブルーラインの脱線事故で、横浜市は10日、運休が続いていた踊場-湘南台間の運行を再開した。全線運行は4日ぶり。復旧作業が難航したため朝の通勤時間帯には間に合わず、午前10時頃から運行した。11日は始発から全線で運行し、日中はおおむね8分間隔を予定。市は事故車両の搬送や安全確認を行った上で通常ダイヤに戻す方針。

 事故後、国土交通省から市交通局に対し、警告書が出された。原因究明や再発防止に向けた取り組みを求めており、同局は「早急にとりまとめ、報告する」と話している。

 同局によると、市は最速で9日始発からの再開を目指していたが、復旧作業が難航。脱線車両の線路への引き上げや枕木の交換などは10日未明に終了した。

 事故車両は当初、上永谷駅(同市港南区)近くの車両基地へ運ぶ予定だったが、時間が掛かり同日午前からの営業運転に支障が出る可能性があるとして、基地への搬送を断念。事故が発生した下飯田駅(同市泉区)付近の現場から、隣の湘南台駅(藤沢市)の2番線に暫定的に停車させた。

 このため、ブルーラインは終日、ダイヤが乱れ、日中は全線でおおむね8分間隔で運行。夕方は、あざみ野-湘南台間の全線を運行する電車と、踊場で折り返す電車を交互に走らせたため、踊場-湘南台間はおおむね12分間隔だった。市は運転を見合わせていた区間のバスによる代行輸送を終える一方、他社線への振り替え輸送を継続した。

 事故は6日早朝に発生した。下飯田駅を出発した始発の上り電車(6両編成)が、線路上に放置された工事用車両を移動するための装置に乗り上げて脱線。男性運転士が軽傷を負ったほか、乗客の女性が肩の打撲を訴えているという。

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