欧米豪の訪日客 自然景観に好感 長崎県トップは雲仙地獄(8位) 運輸局九経調 九州観光地 関心度調査

 九州運輸局と九州経済調査協会(九経調)は、欧米豪の5カ国に九州の観光地への関心度を尋ねた調査結果をまとめた。ランキングの上位には自然景観を楽しめる場所が多く並び、長崎県最高は8位の雲仙地獄(雲仙市)だった。

 2017年に九州を訪れた外国人観光客の9割超をアジア地域が占めた。一方、欧米豪の観光客は、滞在時間が約2週間と長く、国民1人当たりの旅行支出額が高いが、2%程度にとどまっているのが現状。

 ただ今年以降、追い風となる要因がある。ラグビーワールドカップ、東京五輪・パラリンピックが開催されることに加え、都市と地方を周遊する広域観光が外国人観光客に浸透。今後、欧米豪からの九州に来る観光客も増えると期待される。

 調査は、欧米豪の観光客の特徴や関心度を把握しようと米国、ドイツ、フランス、英国、オーストラリア在住で、日本または九州に旅行歴がある計750人にアンケートを実施。九州の代表的な観光地50枚(本県関係は6枚)の写真と短い説明文を示し、旅行したい場所を選んでもらった。

 「とても旅行してみたい」と回答した割合を見ると全体トップは、河内藤園(北九州市)で54%。鵜戸神宮(宮崎県)51.9%、阿蘇山(熊本県)51.7%、沖ノ島(福岡県)51.6%の順で、雄大な景観を持つ観光地が上位にランクインした。特に、写真に「山」が映る観光地が上位に来る傾向が見られたという。

 長崎県関係は、雲仙地獄が8位、端島(軍艦島)が11位、平和公園が29位、九十九島が30位、稲佐山の夜景が39位と続き、潜伏キリシタン関連遺産は46位だった。

 旅行口コミサイトへの投稿数(昨年8月3日時点)も調査。長崎県の投稿数は1403件と、2位の鹿児島(465件)、3位の福岡(425件)を大きく上回り、長崎県の知名度が一定あることを示す数字となった。報告書をまとめた九経調は、欧米豪からの観光客を増やすため「観光地のストーリー性や背景をしっかり伝えていくことが大事。欧米豪の人の関心が高い『山』と組み合わせてPRしていくのも一つの方法」としている。

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