一瞬、「ViViもファッションだけでなく世知辛い世の中に一石を投じるようになったのか」と思った読者もいた事でしょう。
参考記事:ここ3年で休刊した雑誌46誌を羅列 職を無くした編集者・ライターは今どうしているの?
講談社の老舗女性ファッション雑誌『ViVi』が、
「わたしたちの時代がやってくる! 権利平等、動物保護、文化共生。みんなどんな世の中にしたい?」と銘打って「ViVi girl」(ViVi公認インフルエンサーでモデル、アイドル、タレントなど)9人に「どんな社会にして行きたいか聞いてみました」…というPR企画を実施。
各ViVi girlのメッセージだけ羅列すると、こんな感じです。
「Be Happy ハッピーに生きていける世の中にしたい」
「Open Heart お年寄りや外国人に親切な国でありますように」
「Be Real 社交辞令なんか辞めて。建前がない社会にしたい」
といったViVi girlが考えた「こんな社会にしたい」というメッセージを発信。因みにこんな風に、キャッチフレーズの理由もちゃんと書いてあります。
「Happy&Smile みんなが幸せで笑顔あふれる素敵な国に♡ 交通事故とか殺人事件とか、とにかく悲しい事件が多い気がしています。事件を起こさないでいいような世の中にしていきたいです」
という、全体的に至極の真っ当なメッセージを発信。そのメッセージをTシャツにして読者プレゼントするという企画です。
サイトには「ViVi girlが考えたメッセージをプリントアウトとしたTシャツを一枚ずつ計13人にプレゼント。どんな世の中にしていきたいかをTwitterもしくはInstagramに投稿して応募してね!」とさわやかなメッセージが記してあります。
で、「問い合わせ先」を見てみると、
「#自民党2019」プロジェクト事務局
となっているではありませんか!
「ViVi」、どうした?
そこに記されているURL(https://jimin2019.com)をクリックすると、当然自民党のPRページに飛びます……。いや、自民党であろうが、例え立憲民主党であろうが、これは露骨過ぎやしませんか。
ViViといえば言わずと知れず、1983年発行の老舗ファッション雑誌。現在は藤田ニコルをはじめ、かつてはローラ、マギー、水原希子などが表紙を飾ってきた一流雑誌です。
国内最大発行部数を誇る媒体が、こんな露骨なキャンペーンをする必要があったのでしょうか。これで「ViVi」のブランド力が落ちるという事はないとの判断だとは思いますが。(文◎編集部)