慶応・上田誠前監督が「育成功労賞」 日本高野連

上田誠氏

 日本高野連は10日、野球部の指導、育成に貢献した監督、責任教師を表彰する本年度の「育成功労賞」に慶応の上田誠前監督や広陵(広島)の現役監督として、選抜大会で2度の優勝に導いている中井哲之氏ら49人を発表した。

 秋田、茨城、福井、奈良、島根、愛媛、福岡、鹿児島の8県の8人は、8月15日に行われる全国選手権大会の第2試合前に甲子園球場で表彰される。

 神奈川からは「エンジョイ・ベースボール」を標榜し、2005年春には慶応を45年ぶりの選抜甲子園出場に導いた上田誠前監督が育成功労賞に選ばれた。

 桐蔭学園副部長、厚木東監督を経て、慶応を25年間指導した上田氏は「神奈川の野球をサポートしていただいている方々に評価していただき、感謝の気持ちでいっぱい」と喜んだ。

 1991年秋に慶応の監督に就任すると、丸刈りをやめたり、選手に監督ではなく「上田さん」と呼ばせたり。2015年に監督を勇退するまで「点を取って勝つ楽しさ」を追い求めた。

 現在は野球人口の減少を食い止めようと、「神奈川学童野球指導者セミナー」を立ち上げた。野球環境の整備の重要性などを次世代の指導者に伝える一方、野球にまつわる話題をツイッターでも発信する。「『これからもっと育成していけよ』というメッセージ、ミッションを頂いたと思っている」。野球人気の高い神奈川から野球振興の成功例を全国に届ける目標を掲げた。

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