離島留学制度の活用促進 交流人口拡大へ ORC 運賃を島民割引

離島留学制度の活用促進について説明する日野社長(左)=県庁

 離島留学制度の活用を促進して交流人口を拡大しようと、オリエンタルエアブリッジ(ORC、日野昭社長)は本年度、学校見学や入試などで島を訪れる利用者の運賃を島民割引と同額まで引き下げる。日野社長が11日、県庁で池松誠二県教育長に報告した。
 同制度は離島の高校に全国から生徒を集めようと2003年度から実施。現在対馬、壱岐、五島、五島南、奈留の5県立高校で実施しており、島外から来た生徒は計140人(4月時点の在籍者)。
 ORCによると、入試や各校が実施する体験入学、個人での学校見学を目的に長崎空港発着便を利用する場合、生徒本人と同伴者の運賃を島民割引と同額にするという。例えば、長崎-対馬便(往復)は通常2万5400円のところ、島民割引により1万6600円になる。高校が発行する参加証明書や受験票の写しなどを同社に郵送すると、普通運賃と島民割引の差額を同社が支払う。郵送期限は8月1日~来年2月19日。
 同社は昨年度、地域課題の解決を目指す専門部署「地域共創推進室」を設置。離島留学制度のハードルを下げようと運賃低廉化を検討し、県空港活性化推進協議会と空港振興・環境整備支援機構の助成金を活用することになった。来年度以降の実施は未定。日野社長は「島の生活の良さを体験する人を増やしたい」と意気込んだ。
 池松教育長は「目的意識を持った子どもがチャレンジしやすくなるのでは」と期待を寄せた。各校の体験入学は▽五島高=7月14日▽奈留高=8月3日▽五島南高=同22日▽対馬高、壱岐高=同24日。

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