〔口永良部島〕約10か月ぶりに噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引下げ(6/12)

12日11:00、福岡管区気象台・鹿児島地方気象台は、鹿児島県の口永良部島について、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引下げたと発表しました。新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒が必要です。また、新岳火口から西側の概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒が必要です。
新岳火口では、2月3日以降、噴火は観測されていません。火口付近のごく浅い場所を震源とする火山性地震は2月以降減少し、概ね少ない状態で経過しています。新たなマグマの上昇を示すと考えられる、新岳の西側山麓のやや深い場所を震源とする火山性地震は、2018年8月16日以降、観測されていません。
一方、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、4月11日に1日あたり1000トンと一時的に多い状態となり、その後は減少しましたが、現在も1日あたり100~300トンとやや多い状態が続いていますので、引き続き小規模な噴火の可能性があります。

口永良部島では、2015年5月29日に噴煙が火口上9000m超に達する爆発的噴火が発生し、気象庁は噴火警戒レベル導入後初となるレベル5(避難)を発表、一時全島民が島外へ避難しました。
その後、噴火警戒レベルは順次引下げられ、2018年4月30日にレベル2(火口周辺規制)となっていましたが、火山性地震の増加から8月15日にレベル4(避難準備)に引上げ、29日にはレベル3(入山規制)に引下げたものの、10月21日には、3年4か月ぶりとなるごく小規模な噴火が発生、2019年1月17日には噴煙が火口上6000m超に達する爆発的噴火が発生し、噴火速報も出されましたが、噴火警戒レベルは3が維持されていました。

【噴火警戒レベル】●=現在の口永良部島の噴火警戒レベル
・レベル5(避難):危険な居住地域からの避難等が必要。
・レベル4(避難準備):警戒が必要な居住地域での避難の準備、要配慮者の避難等が必要。
・レベル3(入山規制):登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制等。状況に応じて要配慮者の避難準備等。
●レベル2(火口周辺規制):火口周辺への立入規制等。
・レベル1(活火山であることに留意):状況に応じて火口内への立入規制等。

© 株式会社レスキューナウ