「いだてん」阿部サダヲへバトンタッチ!「思い切りやるしかない」

NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(日曜午後8:00)では、6月30日放送の第25回から主人公が“日本で初めてオリンピックに参加した男”金栗四三(中村勘九郎)から“日本にオリンピックを呼んだ男”田畑政治(阿部サダヲ)にバトンタッチする。田畑は朝日新聞の政治部記者で、水泳をこよなく愛し、やがて東京五輪誘致に深く関わる役どころで、会見に出席した阿部は「第25回から急にガラッと変わる。思い切りやるしかない。田畑は何をするか分からない得体のしれない男なので、僕も現場でも何をするか分からないような芝居をしたい」と意気込みを明かした。

ドラマは宮藤官九郎氏の脚本で、金栗と田畑の2人を軸に半世紀にわたる日本人のオリンピックの歴史を描くもの。第一部のラストとなる6月23日放送の第24回「種まく人」では、関東大震災により壊滅状態となった東京で、金栗らが神宮外苑競技場で復興運動会を行い、スポーツで人々を元気づけようとする姿が描かれる。第二部初回となる30日放送の第25回「時代は変わる」では、三度目の五輪でも惨敗した金栗らに「負けちゃ意味がない」と息巻く血気盛んな記者・田畑が現れ、震災不況で次のアムステルダム五輪参加が危ぶまれる中、大量の資金援助を取り付ける展開が描かれる。

金栗役の勘九郎は「昨年4月にクランクインしてから1年間、悩みながら楽しみながらやってきた。役者人生の中でこの先経験できないような宝物になった」と全力で走ってきたことをアピール。一番の思い出の場面として、現地ロケを行ったストックホルム五輪の撮影を挙げ、「実際に金栗さんが走ったスタジアムがそのまま残っていて。普通の撮影は直線を走って、次のカットはゴール前とかだと思うけど、400mトラックを2周走って、外に出ていく流れまで全て走った。本当にキツかったですね」と振り返った。

また、勘九郎は阿部へのアドバイスとして「撮影が巻く(短くなる)ことはない」と長時間にわたる撮影が連日続くことを覚悟した方がいいと助言すると、阿部は「田畑は早口で何を言っているか分からないようなせっかちな人だったそうで、せっかちな役作りをしてくれと言われたのですが、スタッフはせっかちじゃないんですよね。丁寧に撮ってくれて、役者としてはありがたいのですが」とすでに痛感していることを苦笑いで明かした。

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